暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0731話
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室のホールへと辿り着くと……

「ええっ!? な、なんであの時の映像が!?」

 何やらランカが、急に映像モニタに映し出されていたのを見て声を上げる。
 そちらを見ると、そこには確かにランカの姿があった。どこかの街中で歌っている映像。

「これって、あの時の……」

 アルトも見覚えがあるのか、思わずといった様子で呟く。

「へぇ、楽しそうに歌ってるわね。……ランカちゃんの歌ってる姿を見たら、あたしもちょっと歌いたくなっちゃった」

 そう告げ、突然歌い出すシェリル。その歌唱力はさすがと言うべきか、演奏も何も無いのに瞬く間に周囲の注目を集める。
 って言うか、シェリルがここにいるってのを自分からバラしてどうするんだよ。
 その様子に溜息を吐くも、俗に言うアカペラの状態で歌っているというのにその表情は生き生きとしている。まるで、音楽の申し子とも言える程の歌。
 実際、音楽に関しては疎い俺だがシェリルの声はいつまでも聴いていたいと思わせる何かを感じさせる。セイレーンの瞳を持つ美砂とはまた違った歌唱力。
 その歌声に、俺だけではなくアルトやランカも思わず聞き惚れていた。
 ……だからだろう。その瞬間に気が付かなかったのは。

「げほっ、ごほっ」

 歌っていたシェリルが、突然咳き込んだのだ。そしてバランスを崩して地面に倒れ込みそうになるところで……ちぃっ!
 咄嗟に地を蹴り1歩を踏み出し、その身体を支える。

「おい、シェリル!?」
「だ、大丈夫。ちょっと咳が出ただけだから」
「けど、お前……」
「大丈夫、大丈夫よ……」

 まるで、自らに言い聞かせるようなその言葉。……本当に何でも無いのか? 一応検査入院しているんだから、何か病気に罹っていればすぐに判明するだろうが……

「アクセルにアルト……シェリル・ノームも?」

 そう声を掛けて来たのは、いつの間にか現れていたオズマ。
 こっちを怪訝そうな表情で一瞥するが、特に問題は無いと判断したのだろう。視線をランカに向けて口を開く。

「ランカ、済まないがちょっと一緒に来てくれ」
「あれ? お兄ちゃん?」
「……とある人がお前に用事があると言っているんだ。頼む」
「え? その、アルト君……」

 咄嗟にアルトへと視線を向けるランカだったが、アルトにしても何かを言おうとしてオズマに止められる。

「……頼む、ランカ」

 その言葉に押されるかのように、ランカはオズマと共に去って行ったのだった。





 そしてこの数日後、何故かアルトの階級が上がり少尉となる。
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