肉のない青椒肉絲はいかが?
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ぎつけて寄ってくる。本当、今時の子供より偏食が酷い。
一方、嫌いなのは主に苦いモノや臭いモノ。こと魚卵と刺身は一口食べた次の瞬間に嘔吐を催すほどで、未だにピーマンとセロリとグリーンピースが食べられない。本当、今時の子供より以下略――。
「お母さん、珠希ちゃんをそんな娘に育てた覚えは――」
「あたしはまともに育てられた記憶も無いのですが」
幼少期から共働きだった両親の代わりに珠希の面倒を見ていたのは珠希の兄である。
彩姫が産んだ4人の兄弟姉妹のうち、兄だけが珠希たちと少し歳が離れており、小学生の頃の珠希からすれば当時高校生だった兄はたいそう頼れる大人に見えていた。――そう、見えていた、だけだ。あくまで過去形である。
「あ、あのね、珠希ちゃん……」
「何でしょうか? このダメ母の担当編集をしていただいている遊瀬汐里さん」
「えっ? あ、た……珠希、ちゃん? どうしてそう説明口調なのかな?」
「いえいえ。こんな母の担当になってしまって、本当にご愁傷様です」
「ご愁傷様って、それどういうこと珠希ちゃんっ!?」
「そ、そうですよぉ。私、これでも彩姫さんのこと尊敬しているんですから」
「それなら今すぐ尊敬される方を変えたほうがよろしいかと――つか、資料作成の一環だろうが○ズりたいならラ○ホでやれっつってんのよ」
あくまで実母と、その母親の仕事の相棒である汐里を前にできるだけ丁寧な態度でいようとはした。しかし二人が開き直りとも聞きとれる発言をしたため、背後に修羅を降臨させはしなかったものの、同性すら魅了する満面の笑みとそれとは真逆の口汚さで珠希はひとつ代替案を示す。
「わ、私と先生の間にそういうこと……というか、そういう関係性はないですよぉ」
「それにね、これは○ズじゃなくて――」
「百合とかいえる年齢だと思ってんのかあんたらはッ!!」
これはあくまで珠希の持論であるが、百合とは精神的にも肉体的にも発育途上にある美少女たちが演じるモノであり、成人女性同士の絡み合いを百合とは定義しない。珠希が知りうる限りの単語を用いるなら後者は間違いなくレ○だ。
「ね、年齢を持ちだすのは卑怯よ珠希ちゃんっ」
「黙れアラフィフ」
「しおりんっ! わたしの珠希ちゃんがッ、娘がいぢめるのぉっ!!」
「あー、はいはい。泣かないでください先生」
長女の残酷な言葉に、子供を4人も産んだ母親はまるで叱られた子供のように隣にいる担当編集者に泣きつく。これじゃどちらが母親かわからない。
あといつ誰がいぢめたよ。こちらは率直に事実を申し上げただけだ、と珠希は心の中で反論する。
「しおりんのおっ○い舐めさせてくれたら泣くのやめる」
「え
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