第七十九話 North Pole Area
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覚えるエイリアにエックスは静かに口を開いた。
エックス「君は今まで、頑張ってきたんだな」
エイリア「………」
エックス「エイリア、ヴォルファングのことは君のせいなんかじゃない。きっと彼も君を怨んでなんかいない。」
エイリア「…っ!!」
エックスの言葉に目を見開くとエイリアの瞳が僅かに潤んだ気がした。
エイリア「うっ…」
エックスの免罪符の言葉に押さえた口元から嗚咽が漏れる。
上司に騙され、ヴォルファングを死に至らしめたにも関わらず処分さえもなかった自分はあの日からずっと涙を流さなかった。
流す資格などないと思って、しかしエックスの言葉で今までピクリともしなかった涙腺が緩んでいく。
エックス「君は彼のことで苦しんでいたんだろう?彼が処分されてからずっと…。」
恐らくヴォルファングが処分されたのは、北極エリアでイレギュラーが脱走し、処分されたという報告があった、今から3年前だろう。
まだルインが再起動したての頃だ。
3年間、ずっとずっと罪の意識に苦しんでいた彼女をエックスは救ってやりたかった。
エックス「君は…優しい人だ。誰かのために涙を流せる人だ。」
その言葉にエイリアの瞳の奥で何かが揺らいだ。
エックスはエイリアの頬に手を伸ばし、その頬を優しく触れながら、真摯な瞳で訴える。
エックス「だから……罪の意識に苦しんでる君自身を、もう許してあげるんだ。3年間、君は罪の意識に苦しんだ…もう償いは済んだはずだ。罪は誰にでもある。もういいんだエイリア。辛かったな」
エイリアはエックスの腕の中に倒れ込み、しがみついて声を上げて泣き出した。
エックスは黙って泣きじゃくるエイリアを抱き締める。
エックス「辛かっただろう、エイリア」
エックスはエイリアの背中を優しく撫でながら言う。
静寂が支配するハンターベースの屋上に、しばらくの間エイリアの静かな泣き声が響いていた。
月の光が2人を優しく照らしていた。
しばらくしてようやくエイリアは泣き止み、エックスから離れた。
エイリア「ごめんなさい…みっともないところを……」
エックス「いや、気にしなくていい…」
彼女の言葉にエックスは優しく言う。
エイリア「(ルインが好きになるわけよね…)」
あの超が三桁あっても足りないくらいの鈍感なルインが好きになったのが分かった気がした。
納得すると同時にエイリアは少しずつエックスに惹かれていくのであった。
そして北極エリア最深部ではルインとヴォルファングが対峙していた。
ルイン「君がナイトメア調査員、ブリザード
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