第一話 入学
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俺が警戒をしている間に、達也が答えてくれた
俺たちには隠さなければならない事情がある。いや、まあ俺は別に隠さなくてもいいとは言われているが
「動画などではなくて起動式を組んでいたのですか。入学前からそんなことが出来るなんて凄いですね。私も起動式をカスタマイズすることは有るんだけど、確かにスクリーン型の方がやりやすいわね」
口調が砕けた物に変わった。それはこちらの警戒を緩めようとしているのか、それとも
「あっ、申し遅れました。私は第一高校の生徒会長を務めています、七草真由美です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。よろしくね」
俺たちは表情を変えずに、自分達の名前を名乗る
「自分は遠藤蒼炎です」「司波達也です」
「遠藤蒼炎くんに司波達也くん...そう、あなた達が」
やっぱりバレてるのか!?流石は七草、やってくれたな
俺が警戒を強めるといきなり肩を達也に叩かれ
[いや、違うと思うぞ。四葉の情報統制を、いかに七草といえど突破できるとは思わない。それにお前のことは特に叔母上が統制してる。恐らくは入試の成績の話だろう]
と接触を介して頭に語りかけてきた。こういう時魔術って便利だよな
俺は良く考えるとそれもそうだと思い警戒を解いた
「先生方の間ではあなた達、特に司波くんの噂で持ちきりよ」
達也の噂...とするとペーパーテストの結果かな。こいつは一般の尺度で測った時、明らかにおかしいからな
七草先輩は楽しそうに笑いを含みながら話を続ける
「入学試験、七教科平均、百点満点中九十六点。特に圧巻だったのは魔法理論と魔法工学。合格者平均が七十点に届かないのに、両教科共に小論文含めて満点。遠藤くんも司波くんには届かないけど、それでも七教科平均八十九点。魔法工学に関しては小論文含めて満点だし、魔法理論もケアレスミスがあるだけ。実技は処理速度は今年の総代の子を抜いてトップ。残念ながら干渉力で負けて主席ではないけれど。二人とも前代未聞の高得点ですって」
相手からは純粋な尊敬の念しか感じ取れない。それだけ驚いたのか
しかし、達也からしてみれば皮肉にも取れるだろう。なぜなら
「ペーパーテストの成績です。情報システムの中だけの話ですよ」
と自分の左胸を指差しながら、達也はいった
魔法師としての評価は実技が優先される。だから、たとえ筆記で満点をとったとしても、評価はあまりされない
それを聞きながらも七草先輩は首を横に振る
「そんなすごい点数、少なくとも私には真似出来ないわよ?私ってこう見えて、理論系も結構上の方なんだけどね。入学試験と同じ問題を出されても司波くん達のような点数はきっと、とれないだろうなぁ」
「そろそろ時間ですので..
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