第一話 入学
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ハードの知識が豊富だからな。別にソフトまで頑張らなくてもいいんじゃないか?」
「いやいやでも..」
達也に反論しようとしたところで端末から音が鳴った。モニターには30分前と表示されている
開場の時間になったので俺は端末を閉じてから立ち上がろうとしたが、その時声をかけられた
「新入生ですね?開場の時間ですよ」
その声を辿ると、まず目に着いたのは女子用の制服と左腕に巻かれたブレスレットだ
CADーー正式名称Casting Assistant Device 日本語になおせば術式補助演算機といったところか
それが女子の先輩が着けているブレスレットの正体だ
現代魔法を利用する魔法師にとって必須のツールだ
現在、現代魔法には一単語、あるいは一文節で魔法を使い分けるといったことが出来ないとされている
仮に、魔法陣や呪具を使い魔法を使おうとしたら十数秒はかかるのをCADを使うことにより一秒以下で発動できるようになる
もちろん、CADが無ければ魔法を使えないというわけではない。世の中には能力を一定方向に限定することで魔法技能を一般の魔法師よりも早く発動することができる、所謂超能力者もいる
ただ、CADを使うことにより安定して魔法が早く使える、これを求めて現状では魔法師でCADを使わない者はまずいないだろう
話がずれたな。この先輩がCADを着けているということはなにか特別な役職にいるのだろう
この学校にはCADの携行制限があったはず。その例外が確か...生徒会役員と特定の委員会だけのはず
「ありがとうございます。すぐに向かいます」
俺はそう返答をして、達也と共にこの場から離れようとするが
「感心ですね、スクリーン型ですか」
相手はそうはさせてくれない
相手の顔は見覚えがある。もちろん面識があるのではなく資料で、だが
(七草真由美...数字付きの中でも最有力の一つとされる家の子女か...あんまり関わろうとは思わないな)
魔法師の才能は遺伝する。それはすなわち、有力な家系とそうでないのがあるということ
この国では、有力な家系の名字には数字が入っていることが多い
それらを総称して数字付きと読んでいる
その中でも別格とされているのが、十師族と呼ばれる、名字に一から九の数字が入っている家系
その中の一つが七草だ
「当校では仮想型ディスプレイ端末の持ち込みを認めていません。ですが残念なことに、仮想型を使用する生徒が大勢います。でもあなた達は、入学前からスクリーン型を使っているんですね」
「仮想型は起動式の作業には不向きですので」
(単なる好奇心か...それとも俺らを関係者としてみているのか)
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