第一話 入学
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年少女がいた
少女ーー司波深雪の方はどこをとっても最高ランクで評価されるような容姿を持っていた。彼女も、蒼炎と同じ、厳密には違うがほぼ同じ制服を着ていた。胸には八枚花弁のエンブレムがある
少年ーー司波達也の方は容姿は普通。あえて言うなら目が細い。そんな、まさか司波深雪の兄だなんて思えない容姿をしている。制服は蒼炎と似ているが違う点があった。それは胸にエンブレムが無いことだった
「ああ。お袋から入学祝いの連絡きた。なんか今日は午後忙しいらしいからいましてきたんだってさ。そんなことよりもう行こうぜ」
「そうだな」
そうして彼らは、家を出た
向かう先は、国立魔法大学付属第一高校
そして、それは波乱の日々の幕開けでもあった
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「納得できません」
俺は心の中でため息をついていた
さっき達也達の家を出てから深雪ちゃんはずっと不満を垂れ流していた
それは、達也が二科生(九つある魔法科高校の中でも第一から第三高校には二科制度をとっている。この二つの違いは教員の個人指導を受けられるか否かというものなのだが二科生徒は補欠とみなされている)であることに対してだった
それはここにくる道中でも言っており、シスコン気味の達也でさえ「まだ言っているのか...」と若干呆れている
「それに蒼炎兄様もです!お二人とも入試の成績はトップだったじゃありませんか!本来ならばわたしではなく、お兄様方が新入生総代を努めるべきですのに!」
「俺も!?というか入試結果はどこから仕入れたんだよ...」
「まあ、それは横に置いておくとして。魔法科学校なんだから、ペーパーテストより魔法実技が優先されるのは当然じゃないか」
達也が深雪ちゃんをなだめようとするような口調ではなす
「俺たちの実技能力は深雪もよく知っているだろう?蒼炎はともかく自分じゃあ、二科生徒とはいえよくここに受かったものだと、驚いているんだけどね」
「それは俺に対する不満かな?」
「あー、いや。ここに受かることはできると思ってた....うん」
俺が達也をジト目で見ると達也は目をそらしながら訂正した
雰囲気が若干緩やかになったと思ったが深雪ちゃんはまだ止まらなかった
「そんな覇気の無いことでどうしますか!勉学も体術もお兄様方に勝てる者などいないというのに!魔法だって本当なら」
「深雪!」「深雪ちゃん!」
深雪ちゃんはいってはいけないことを言おうとした。そのため俺と達也が同時に強い口調で名前を呼んだ
すると深雪ちゃんはハッとした顔をして、俯いた
「分かっているだろう?それは口にしても意味の無いことなんだ」
「...申し訳ございま
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