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無欠の刃
下忍編
罠、罠、罠
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倒したい…らしい。あくまでも殺したいのではないので、毒薬は痺れ薬や、苦無は全て先端はそんなに尖らせないようにしているが、それでも結構なものだ。
 だが、これは知らない人に勘違いされやすいが、何も彼らはカカシの遅刻に怒ったことはない。というか、彼らはカカシの遅刻をあまり気には留めない。その間にトラップ仕掛け放題ととらえているのだろう。
 紅やアスマ、ヤマト達もこんな目に合ってるのかな…、今の教師って大変だなぁと思う。
 実際のところは、教師はそんなに大変ではない。というか、彼らが異常すぎるのだ。
 その証拠に、今、カカシに猛攻を与えていた三人のを存在を確認した忍たちは顔をひきつらせ、カカシに内心で敬礼をしていたのだが、当のカカシは全く気が付いていなかった。
 彼は生徒を受け持つこと自体が初めてなので、生徒の普通の観念がわからないのである。怨むならば、彼らを最初に請け負ってしまった彼自身の運である。
 閑話休題。
 同情の視線を集めてるとは全くしらずに、カカシはいつも通り、のんびりとした様子で彼らに任務を伝える。

「今回の任務、聞いて驚け。里の外だ」
「外!?」

 ぱちくりと目を見開き、驚いたように僅かに口を開かせたが、しばらく考え込んだ後、恐る恐ると言った様子で尋ねる。

「護衛任務?」
「ああ、そうだ」
「護衛…って、私達でもできるんですか?」

 不安そうに尋ねたサクラを安心させるように、カカシが笑う。

「安心しろ、サクラ。護衛と言っても、他国の忍者とは接しない。接したとしても、精々、町のごろつきどもだ」
「なんだぁ…じゃあ、サスケ君とカトナがいれば、十中八九安全ね」

 その言葉に、少しばかりものたりそうな、不満そうな顔をしたサスケは、先に歩くカカシの背中を見つめながら、黙り込んでしまったカトナを見る。
 この時、カトナのテンションはいつもより少し振りきれていた。何せ、初めて里外にでるのである。テンションが上がるどころの話ではないだろう。
 任務、どころか、門の近くに寄るだけでも厳重注意を受けて追い返されてしまうのだ。外の世界に僅かなりとも、憧れを持っていないわけではない。
 少しばかりときめく胸を感じながらも、こんこんっとドアを叩いた。
 がちゃりと扉が開かれ、その人物が目に飛び込んでくる。

 「なんだぁ? こんなちびっこいのが護衛かよぉ?」

 最悪の依頼が、その時、開始した。
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