下忍編
罠、罠、罠
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れた苦無にあたってもう一度弾かれ、カカシに向かう。
しかも、
「後ろからもか…!!」
ぐっと、僅かに顔をそむけ、後ろを確認したカカシは、サクラがこちらに苦無を投げてくるのを見つけ、ちっ、と舌を打った。
前を犠牲にするか、後ろを犠牲にするか。迷っている暇はなく、カカシは咄嗟に首を傾けて額当てをずらす。
苦無の軌道が、読める。
ばっと、片方の手で前から飛んできた苦無を掴み、もう片方の手が持つ苦無で苦無を弾いたカカシが地面に着地しようとしたとき、
「罠は、作動しなきゃ意味ない」
先程までカカシの様子を伺っていただけのカトナが動き、自ら、罠を踏む。
カカシの逃走手段を潰すだけの目的しかないと思ったそれが、この場において、生きる。
カトナが踏んだその場所から、何かが着火した音がし、カカシが先程踏まないようにした、あの、土の色が変わっていた場所から、一直線に土が上に噴射する。
目くらまし…いや、違う!!
カカシが上体をひねり、咄嗟に、足ではなく手で着地し、バク転をし、その場から離れる。
噴射した土は雨あられのようにその場に降り注ぎ、そして、その土の中に潜まれていたらしい千本もまた、雨のようにその場に降り注いだ。
数秒後、土の噴出が止まり、三人がふくれたような顔をしてカカシを見た。
今日は、これで、流石に終わりだったらしい。
任務のたびに、こんなに命を脅かせられなければいけないことに、最早慣れている自分が哀しいと思いながらも、カカシは千本を眺め、気が付く。
彼らが殺傷性の低いそれを使ってくれたのは、別に優しさでもなんでもなく、其の千本の先に、紫色の粉…おそらく痺れ薬などが塗りやすく、尚且つ、ひとたび触れればいいからだったのだろう。
いつもいつも、よくよくこんなものを見つけて来るものだと感心しながら、ちょっぴり、カカシは泣いた。
「ちぇっ、失敗」
「でも、前に比べたら、カカシ先生避ける回数減って、苦無を弾く回数が増えてるわよね」
「じゃあ今度は弾けないように、苦無に油でもぬっとくか?」
「けど、サスケ君。油なんて塗ったら、苦無が投げにくくならないかしら?」
「塗ってある苦無と塗ってない苦無の二つにバリエーションを分けて投げれば、逆に微妙なずれが出来て避けにくくなりそうじゃないか」
「一理、ある。それに、油、採用するなら、火遁の使い方、広がる」
きゃいきゃいと、実に楽しそうに、けれど言っている内容は実に恐ろしい計画を立てながら、カカシを仕留める計画をたてていた。
カカシは若干どころか、マジで泣きたくなったが、これは彼らの愛情表現なのである。チームワークを深め合い、自分たちの力量が格上の相手にも通じるかどうかを確認しつつ、彼らは尊敬する先生であるカカシを
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