第百五十五話
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第百五十五話 春奈の歯磨き
イーとリャンは洗面所で丁寧に歯を磨いている自分達の主である春奈に対してだ、その顔の左右から言って来た。
「ご主人っていつもね」
「歯磨きは熱心だよね」
「いつもそうしてね」
「丁寧に磨いてるよね」
「お口の匂いがね」
それが、と答えるのが春奈だ。
「気になるから」
「うん、いつもそう言うよね」
「お口の匂いが気になるからって」
「それで歯を磨いてるって」
「そうね」
「実際に歯を磨かないとね」
どうなるかともだ、春奈は丁寧に磨きながら自分の使い魔達に話した。
「歯垢とか食べカスとかが残って」
「そうしてだよね」
「匂いがつくから」
「それでいつも丁寧に磨いて」
「お口が臭わない様にしているんだ」
「そうなの」
まさにその通りだというのだ。
「毎日一回はね」
「朝にだよね」
「学校に行く前に」
「丁寧に磨いて」
「お口を綺麗にして学校に行ってるね」
「それにね」
さらに言う春奈だった。
「お口が臭いとお兄ちゃんにも嫌われるから」
「ああ、お兄さんね」
「ご主人のお兄さんに嫌われる」
「それが嫌だから」
「磨くんだね」
「そうしてるの」
毎日丁寧に、というのだ。
「お兄ちゃんに嫌われたら」
「ご主人としてはね」
「絶対に嫌だからね」
「それで毎日磨いて」
「お口が臭く無い様にしている」
「そういうことだね」
「そうなの、お父さんやお母さんにも嫌われたくないけれど」
第一に、というのだ。
「お兄ちゃんには特に」
「うん、じゃあね」
「磨いてお口の中を綺麗にしてね」
「お兄さんにも嫌われない様にね」
「そうしようね」
イーとリャンも笑顔で言う、そうしてだった。
春奈は歯を丁寧に磨き続けた、そうして口もゆすいだ。その彼女の口の中は綺麗で清潔なものであった。
第百五十五話 完
2014・8・1
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