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絶望と人を喰らう者
エピローグ
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から。例え、腕がもげ、足を切り落とされても絶対私は天国なんかに昇らない。ふふっ、雫。いつも心配してくれてありがとうね」

 アリスは俯いている雫の頭を撫でて、微笑みながら彼女に感謝をする。
 撫でられていた雫は少し頬を染めながらも「ふっ……」っとクールに笑い。

「当然だ、ナナシからまだ約束を果たしてもらっていないからな……」

 っと答えた。
 アリスは彼女を微笑みながら見て、それから歩き始めた。
 だが、その時。

「あらら、デセスポワールだ」
「街から出てすぐに遭遇するなんて運が無いね」

 目の前に、彼女達人間とは別の生き物。人間の天敵であるデセスポワールが姿を現していた。
 その瞬間、二人の瞳が大きく見開き、アリスは驚きで口元を手で押さえる。
 化け物の姿が、 彼女達を驚かせていた。
 頭部は前後に細長い形状をしておりエリマキトカゲみたいな傘が付いている。目は無い。口には凶悪な大量の牙が生えており、身体は爬虫類を思わせるような四足で尻尾の先端には切れ味の良さそうな刃が付いていた。

 しかし、ある部分を見て、アリスはがっかりする。

「あら、なんだー、違うの………… あれ、でも……」

 それは、あの化け物の背中に、翼みたいなものが付いていたから。それに、化け物は彼女達を見るやすぐに駆け、尻尾を振りながら襲いかかってきたからだ。
 しかし、アリスは若干違和感を感じた。
 何だか、どこか懐かしい感じがしたからだ。

「すぐに片付けよう」

 雫はそう言うと、自身の爪を鋭利なナイフのように伸ばし、戦闘態勢を取る。
 アリスも取り敢えず悩みを振り払い、彼女に頷くと腰のホルスターから、かなり使い込まれた古いピストルとリボルバーを同時に取り、デセスポワールへと狙いを定めた。

「天羅、結月ちゃん。今日も力を貸してね」

 そして彼女は祈るようにそう呟くと、二丁の拳銃を放つのだった。
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