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銀河親爺伝説
第七話 暴発
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爺さん、あんたの言う通りだ。これでベーネミュンデ侯爵夫人は政府を敵に回す事になった。後はリヒテンラーデ侯達にあの女の処分を任せればいい。

「卿も同道してくれ。グレーザーから話を聞いたのは卿だからな」
「分かりました」
“下手に出るんだぞ、相手を上手く煽てて使うんだ。強く出るのはもっとデカくなってからでいい”。分かっているけど結構疲れるな、もうひと踏ん張りだ……。


リヒテンラーデ侯との話が終り家に戻ると爺さんとロイエンタール、ミッターマイヤー、キルヒアイスが俺を待っていた。
「ラインハルト様、如何でしたか?」
「うむ、近日中にベーネミュンデ侯爵夫人にオーディンを離れ領地の開発に励めとの陛下の御意が伝えられる事になった」
俺が処分の内容を伝えると皆が頷いた。“事実上の追放ですな”とロイエンタールが評した。

「問題は大人しく従うかだな」
「……」
「追放と決まっても直ぐにオーディンを離れるわけじゃねえ。準備やら支度で時間を稼ぐ筈だ。時間を稼いで処分の撤回を願うかお前を殺そうとするか、……油断はするんじゃねえぞ」
爺さんの言う通りだ、油断は出来ない。ロイエンタール、ミッターマイヤー、キルヒアイスが爺さんの言葉に頷いた。



■  帝国暦486年 7月21日  オーディン  ラインハルト・フォン・ミューゼル



「ラインハルト!」
「下がっていてください、姉上! 車から出ないで!」
破損した車から出ようとする姉を押し戻すと羽織っていたマントを脱いで姉の頭に押し被せた。姿勢を低くさせれば、この暗さならそう簡単には狙いは付けられないはずだ。

雨が酷い、夜の闇と大量の雨で視界が利かない。そして雨音の所為で音も聞こえない、最悪の状況で襲撃された! 油断した、いやこちらの想定を超えた。まさかここまで強硬手段を取るとは……。せめて事故死に見せかける位の事をするとは思ったが俺の想像以上にあの女は追い詰められていたようだ。或いは馬鹿なのか。

「相手は対戦車ライフルを使用したようです」
キルヒアイスの声が緊張している。直撃なら姉上の命はなかっただろう。間一髪助かった、しかし油断は出来ない、足を奪った以上連中は必ず止めを刺しに来るはずだ。キルヒアイスを促し車から少し離れた場所に移動した。背中合わせに立つ、死角を作るな、集中しろ! 手にブラスターを持って敵を待った。

「ラインハルト様!」
キルヒアイスが叫ぶのと同時に身体を翻した。戦闘用ナイフが肩先をかすめた。目の前に黒の戦闘服を着た男が居た。足元がぬかるむ、踏ん張れない! バランスを崩してよろめくところに男がナイフを振りかざした。躱せない、防ごうと腕を前に出した時、男の身体が硬直して一瞬置いて崩れ落ちた。

「無事か、小僧」
「爺さん!」
男の後ろ
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