暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS〜破滅大戦〜
1st
邂逅篇
第2話『ナツ・ドラグニル』
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こうよ!」
「わかったから引っ張んなって!」
食事が終わるや否や、机のそばで仁王立ちしていたルーシィが、ナツの腕をグイグイと引っ張る。
彼女がこんなにも仕事に行きたいのは、単に約束していたからとか、仕事熱心だからだという理由では無い。
ルーシィはマグノリア市内に借りたアパートに住んでいるのだが、毎月の家賃を払うのもギリギリなほど金欠なのである。
なので、彼女は一件でも多くの依頼をこなし、早くお金を稼ぎたいのだ。
「つーかよぉ、行く仕事は決まってんのか?」
「フフン♪ それは‥‥これよ!」
バンッというような効果音が付きそうな勢いで、ルーシィはナツの目の前に依頼書を突き出す。
そこには、『盗賊団《ゲンジボタル》の捕獲』と『報酬120万
J
(
ジュエル
)
』と表記されていた。
「おお! 最近街で噂になってるヤツ等か!」
「そうよ! しかも報酬が破格の120万! あたしたち2人で分けても1人60万ってワケ!」
ナツは敵に、ルーシィは報酬の額に、それぞれテンションが上がっている。
そこへ、
「ちょっと、オイラのこと忘れてない?」
羽
(
・
)
を
(
・
)
生
(
・
)
や
(
・
)
し
(
・
)
た
(
・
)
青猫が現れ、2人に話しかけた。
「あら? ハッピーも行くの?」
「ナツぅ〜、ルーシィがオイラを仲間はずれにするよぉ〜」
「ルーシィ、いじめは格好悪いぞ」
「じょ、冗談よ冗談」
「‥‥‥‥‥」
笑って誤魔化すルーシィをジト目で睨むこの猫はハッピー。
この世にあるもう1つの世界エドラス≠ノ生息するエクシード≠ニ呼ばれる生物で、
翼
(
エーラ
)
≠ニいう飛行魔法を使う、
妖精の尻尾
(
フェアリーテイル
)
の魔導士──こんな
形
(
なり
)
だが──である。
こう述べたが、ハッピーはアースランドで生まれたエクシードであり、例のアニマ事件が起こるまではエドラスの存在さえも知らなかった。
そして、生まれてから今の今までずっと、ナツの大切な相棒として存在している。
だからナツは決してハッピーを仲間はずれになどしないし、それを知っているルーシィも本気ではしない。
「まあいいよ」
勿論ハッピーも本気で悲しんだり怒ったりしているワケではなく、一種のギャグだ。
泣いたり笑ったり喧嘩したりもするけど、決して切れることのない絶対の絆を持つ。
これこそが
妖精の尻尾
(
フェアリーテイル
)
の日常であり、強さなのである。
「おっし! じゃあ行くぞ!」
「「おお〜!!」」
ナツが掛け声をかけると、それに2人──1人と1匹──が呼応して拳を突き上げる。
異変が起こったのは、まさにその瞬間だった。
「アぁ!?」
「「えっ!?」
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