プロローグ
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るく元気な少年だったはずなのに……ほんの些細な出来事で(誘拐を些細と認識していいのか?)こうにまでなってしまったのだ。そう思うと、どこかいたたまれない気分に陥る。
「━━ああ、自由だ。あ、だからって自殺しようだなんて考えるんじゃあねえぞ?もう家族なんかと暮らしたくないって気持ちは何となく分かるが、まあ生きてりゃあきっと何か良いことの一つや二つはあるもんさ」
誘拐犯の俺らが言ったところで説得力の欠片も無いけどなー、とはちょんまげのせりふ。
兎にも角にも、ザイチェフは一夏の肩を軽くポンと叩いて捕らえていた倉庫の中から追い出す形で解放してやる。
その手にはいつの間にか日本額で一千万相当の金の入ったカードが握られていた。
「しっかり生きろよ。さっきも言ったが、生きてりゃあきっと何か良いことの一つや二つはあるもんさ。必ずな」
最後にそう言い残すと、ザイチェフは一夏に背を向けて仲間の下に歩き出した。
後には一夏だけが残されていた。
◇
「よっしお前ら、今日はラーメン食いに行くぞ。もちろんまぬけなちょんまげの奢りな」
「そんなっ!?━━━くそっ、俺がみんなにラーメンを奢らなきゃいけないのも乾巧って奴のせいなんだ…………」
「なんでもたっくんのせいにすれば許されるなんて思ってたら大間違いよ?」
「おのれディケイド!俺の財布の中身が破壊されてしまった!」
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