第七幕その五
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「それでは中はです」
「貴方がですね」
「はい、案内させて頂きます」
こう言ってきました。
「今から」
「お願いします」
こうしてです、先生達はお屋敷の中に入れてもらいました、お屋敷の中もイギリスの趣で吹き抜けになっています。入るとすぐにロビーになっていて舞踏会も開けそうです。
その中に入ってでした、従者の人はその大きな階段を登って。
二階の奥に案内してくれました、そして扉を開けますと。
その中に立派な身なりの老紳士がいました、白い髪を後ろに撫で付けていて黒い目は穏やかな感じです。お顔も整っています。
その人がです、先生達に笑顔で挨拶をしました。
「ようこそ、我が屋敷に」
「はじめまして」
先生が一礼してです、加藤さんと動物達も先生に動きを合わせて一礼します。
そうしてでした、先生と加藤さんがソファーの席を勧められ動物達が周りにつきました。そうしてお互いの名前を名乗った後でお話をはじめました。
先生はです、老紳士にこう言いました。
「実はある方からお話を伺いました」
「ある方とは」
「狸さんの」
「では」
狸と聞いてでした、老紳士は。
そのお顔をぴくりとさせました、そのうえで先生に言いました。
「私の、そしてこの屋敷にいる者達のことも」
「はい、聞いています」
「左様ですか」
「狸の長老さんの」
「仁左衛門さんというそうですね」
「あの方からお話を伺いました」
このことを言うのでした。
「昨日のことです」
「そうでしたか」
「貴方達のことがわからないと」
「いえ、それは」
老紳士、紳士とはいっても公爵を思わせるこの人はこう言ってきました。
「私達もです」
「狸さん達のことがですか」
「わからないです、どう考えているのか」
「そうなのですか」
「まず我々がイギリスから日本に来た理由ですが」
このことをです、老紳士は先生達にお話するのでした。
「近頃イギリスの水が合わないと感じまして」
「硬水が、ですね」
「そうです、それで水がいい国を探しまして」
「それで、ですね」
「日本の水がいいと聞きまして」
そして、というのでした。
「日本の、しかも」
「この松山にですね」
「一族全員で移住しようと決意しました」
「ではこのお屋敷の方々は」
「はい、全てカワウソで」
そしてだというのです。
「我がカンタベリー一族です」
「そうでしたか」
「そして私がそのカンタベリー家の現当主エドワードです」
こうお話するのでした。
「それが私なのです」
「かなり大きなお家ですね」
加藤さんは老紳士にこのことを言ってきました。
「資産はおありですか」
「長い一族の歴史の中で人間達の中に入ることもあり」
「そして、ですか」
「この通
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