第四章
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第四章
「望と。何処かいい場所でって思ってたのに。何でこんな愛想のない場所で事故みたいに」
「俺とかよ」
「そうよ。他の誰とも嫌よ」
勢いのままだ。ついつい言ってしまった。
「私はね。キスだけじゃなくてね」
「キスだけじゃなくて？」
「他のことも。全部ね」
その全部が何かは言わなかったが誰でもわかることだった。
「全部望のものよ。だからこそだったのよ」
「ええと、まさか御前」
望はだ。呆然としながら春香に話す。
「俺のことを」
「えっ！？」
「俺のことを好きだったのか？」
呆然としながら問うのだった。
「まさか」
「えっ、ちょちょっと」
言ってしまってからだ。春香が顔を真っ赤にして述べた。
「あのね、私はね」
「そんなこと気付かなかったぞ」
「だから。ええと何ていうか」
二人共だった。顔を真っ赤にしているのは。
「だから。その、幼馴染みからそれでいつもいて」
「言ってくれたらよ。あのさ、俺だって」
「望だって？」
「いつも一緒にいるし。それなら」
それならというのである。
「春香なら」
「私なら？」
「そうだよ。キスだってしたしな」
今しがたのことである。そのことも話した。
「一緒に。ずっと」
「ずっとなのね」
「ずっと一緒にいてくれるのな」
「当たり前よ。いたいから今までだって」
「じゃあやっぱり」
「人参食べなさいよ。絶対にね」
こんなやり取りになっていた。そしてだ。
話を聞いていた面々はだ。呆れながらこう話すのだった。
「とりあえず上手くいった？」
「そうよね」
「二人共交際するっていうし」
「それならね」
「ハッピーエンドね」
「全く。油断したわ」
ここでだ。繪里子が皆のところに来て話す。
「まさかねえ。あそこでバウンドするなんて」
「春香胸大きいからね」
「だからね」
その胸の大きさはだ。わかっていてもそれでもなのだった。
予想外の事態にだ。彼女はまた言った。
「お陰で鼻ぶつけたし」
「大丈夫？」
「痛くない？」
「ううん、もう痛くないけれど」
困った顔のままで皆に話す。
「それでもね」
「春香って胸が大きいだけじゃなくて」
「弾力もあるのね」
「凄い胸してるわ」
「全くね」
「そしてその胸は」
繪里子がここでこう言った。
「青柳君のものになるのよ」
「果報者ねえ」
「そうよね」
「あれだけ想われてるし」
「しかもファーストキスも貰ったし」
そこまで考えればだ。確かにそうだった。
そしてだ。繪里子はまた言ってきた。
「これで一件落着ね」
「そうね。何か二人共」
「いい感じになってきたし」
二人は今はだ。お互いに微笑みを浮かべて向かい合っていた。照れ臭そうに笑って
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