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バウンド注意
第三章
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第三章

「ここはね」
「じゃあ。そこまで言うならね」
「あんたに任せるわ」
「そうするからね」
「うん、そういうことでね」  
 繪里子は楽しげに言う。そしてここでこうも言うのだった。
「まああれよ。決定的なことが起こればそれであの二人は決まるからね」
「決まる?」
「決まるんだ」
「そうよ。決定的なことがあればいいのよ」
 こう話した繪里子だった。そしてだ。
 次の日早速にだ。休み時間にまた望のところに来ている春香を見ながら周りに話す繪里子だった。今二人はクラスの前の廊下にいる。
 その二人を見ながらだ。周りに言う。
「今仕掛けるからね」
「今なのね」
「そうするのね」
「そうよ。ほら、春香見てよ」
 ここでも彼女に重点を置いている。
「青柳君だけを見てるわよね」
「他見てないわね」
「ずっと彼だけ見て言ってるわね」
 それは誰が見てもわかることだった。まさに一目瞭然だ。
「それで?」
「どうするの?」
「こうするのよ」
 こう言うとだ。繪里子は春香の方に向かう。彼女の背中にそっと近付いてだ。そうしてであった。
 両手で背中をとん、と押す。するとだ。
「えっ!?」
「なっ!?」
 春香だけでなく望も声をあげた。
 背中を押された春香は望の方に倒れる。望はその春香を抱き止めようとする。しかしだった。
 春香の背が高いせいでだ。二人の顔が近付いた。そして。
 唇と唇がだ。重なり合ってしまったのだった。周りはそれを見て言った。
「あっ、キス」
「あれはキスよね」
「そうよね、間違いなくね」
「それよね」
 そのキスを見てだった。皆で話すのだった。
「繪里子が言った強引にってああいうことだったの」
「キスすればもうね」
「これ以上はないきっかけだし」
「それだったら」
 周りは繪里子の考えがわかった。確かにだった。
 これで望と春香の関係が動く、間違いなくだ。ところが。
 ここで誰もが思わないことが起こった。繪里子でさえだ。
 触れ合ったのは唇と唇だけではなかったのだ。胸もだった。
 春香のその大きな胸が望の胸に当たった。それで。
 バウンドしてしまった。胸がクッションになってしまった。そうして今度は後ろに倒れてしまいだ。
 彼女の背中を押した繪里子に当たってしまったのだった。
「あたっ」
「あたっ!?」
 その声にだ。春香も気付いた。
 それで後ろを見るとだ。鼻を両手で押さえている繪里子がいた。その彼女を見てだ。
「繪里子?」
「何でそこでバウンドするのよ」
 繪里子は鼻を押さえたまま春香に言う。
「あんた胸大き過ぎるわよ」
「何であんたがそこにいるのよ」
 春香が言うのはそのことだった。きょとんとしてだ。
「どうしてなのよ」
「あっ、
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