繋がる力
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つける。
『この、愚民風情がぁああああ!!!』
シオンは剣を構える、しかしその構えはどの構えと違っていた。
「ッ、まさかアイツッ!!」
「雪花神月流、終の太刀・・・!!」
エリーシャは見た、シオンの持つエクスキャリバーが金色の光を放つのが。
その光は力強く、しかし暖かな光だった。
『いけ・・・ッ』
『死ねぇえええ!死に損ないがぁあああ!!!』
「いっけぇえええ!シオーン!!」
「うぉおおおおおおおおおお!!!!!」
ヨルムンガンドは応戦すべく、渾身の力を込めたビームを放つ。シオンも手に力を込める。
「細氷、《ダイヤモンドダスト》!!」
シオンの渾身の一振りはビームを切り裂き、ヨルムンガンドの核に届く。しかし、その固さは先ほどの倍近くはあった。
軋み、痺れ、渇いていく身体、霞む視界───彼は既に限界にあった。
今にも崩れてしまいそうなその身体───
『ハァ、ハァ、クソッ・・・身体がもう、ボロボロだ・・・。今にも、消えそうだ・・・』
普通ならもうとっくに崩れてもおかしくないその身体。彼はその身体を、たった一つ想いだけで支えていた。
『けど、身体は動く!・・・まだ、まだいけんだろ!!なら・・・』
「なら出ろ!もう一滴ィイイイッ!!」
シオンは再びその眼を見開く。彼の眼はまだ死んでいない、この不利な状況でもなお、濁りのない光を灯す。
“信じる心”───それだけが彼を支えていた。
たったそれだけ、それだけで彼には充分だった。
『「うぁあああああああ!!!!!」』
ガシャアアアアアッン!!!!!
ヨルムンガンドの核は砕け、粉々となった。
「ギャアアアアアアアアアアア!!!!!」
ヨルムンガンドは断末魔をあげ、その姿が光となってだんだん崩れていく。ゆっくりと光となって消えていくヨルムンガンド、その姿をエリーシャたちは見つめていた。
「やった・・・」
「やった、のか・・・?」
その光の中にいる二つの影、リンクを解除したシオンとヒースクリフはそこにいた。シオンはヒースクリフに支えられながら空に浮いていた。
四枚あった羽はもがれ、今は両翼一枚ずつとなっている。その羽もいたるところに傷があり、身体にはラグが所々にあった。
そんなボロボロな彼は荒い息をたてながらゆっくりと、しかし力強く拳を掲げた。
「ヘヘッ・・・!」
そこには力はなくともいつものあの笑顔があった。
エリーシャはその姿に涙が止まらなかった。
でも、彼女は彼に向けて笑顔を作りながらこう言った。
「シオン、おかえり・・・!!」
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