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ソードアート・オンライン 咎人が背負う運命
罪の代価と代償
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少女の攻撃が徐々に徐々に遅くなる。
先程は徐々に徐々に速くだったが今度は徐々に徐々に遅く。

「死んでよ!!!
化け物!!」

彼女の渾身の一撃が俺の喉を貫通した。
仮想世界の体なので痛みは感じないが喉に何か違和感を感じ気持ち悪い。
だが、俺は動かない。
動けないと言うのが正しいが。

「返してよ返してよ返してよ!!!!」

喉から剣を勢いよく引き抜き少女は攻撃を続行する。
少女の攻撃は無我夢中でとても人を殺す為に剣を振っているとは考えられなかった。
初めて剣を握った殺人鬼、それが少女に相応しい褒め言葉かな。

「死んでよ死んでよ死んでよ死んでよ死んでよ!!」

少女は倒れ込んだ。

「ごめん。
今は死ねない」

少女の攻撃で俺のHPは減った。
だが、減ったと言っても全体のHPの1%に満たないダメージ量が少女が俺に与えたダメージ量だ。
少女の攻撃で失ったHPは一瞬で満タンになり少女の労力は全て無駄となった。

「ば、ば、化け物。
お、お、お前は私が、、、、こ、ろ、、、す」

少女は最後まで剣を俺に突き立て黙り込んだ。
俺を殺す為に寝る時間を省いてレベル上げに専念したのだろう。
俺との交戦と疲れが重なり少女は眠りの世界にダイブした。

「俺を殺すなら攻略組を連れて来て一斉に攻撃しろ」

何度も言った言葉だ。
俺は殺されても文句が言えない大罪を犯している。
俺自身も罪を認め殺されても文句は言わないし言うつもりも無い。

「君が俺を殺しても俺は文句は言わない。
俺の犯した罪が、どれだけ深く重いのか俺が一番理解してる」

少女には俺を殺す権利が有る。
俺の罪が少女の大切な人を殺した。

「謝っても土下座しても許されない事は百も承知だ。
でも、謝らせてくれ」

名も知らない少女に俺は頭を下げる。
謝っても許されない。
解っているが俺が出来る唯一の事だ。



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