罪の代価と代償
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少年は罪を忘れ生きる事を恐れた。
自分の犯した罪が皆の記憶から消されて無になっても罪を忘れて生きるのは嫌だ。
前を向き振り返り立ち止まる。
それの繰り返しが俺の進む道だと俺は思う。
「当たれ!!」
少女の剣が俺の頬を掠める。
更に連続で鋭い突きを繰り返す。
「すいません。
ちょっと忙しいので攻撃を中止してもらえますか?」
鋭く速い突きを躱しながら普段通りに話す。
だが、目の前の少女は俺の言葉を無視し攻撃を続行する。
速く鋭い突きは全て俺を掠めHPを徐々に徐々に減らして行く。
「あの〜〜〜〜〜〜〜?
攻撃を中止してくれませんか?」
普段通りに話すが少女の行動は変わらない。
鋭く速い突きを繰り返すだけで俺の言葉は全て無視だ。
別に実力行使で目の前の少女を止める事は可能だが余計な戦闘は出来るだけ避けたい。
よって俺は剣を構えず少女の突きを躱すだけ。
「当たれ当たれ当たれ!!」
「当たってますよ。
全部、俺に当たってますよ」
少女は叫び荒れ狂う。
剣の突きは更に速く激しくなり回避が困難になる。
だが、全て俺を掠めるだけだ。
「避けるな!!」
少女は一歩後ろに下がり剣を力一杯に突き出す。
今迄の少女の攻撃の中で一番威力が高く避けにくいと俺は判断する。
俺は鞘から剣を引き抜き少女の突きを弾く。
「勝ち目が困難の対人戦は止めた方がいいよ。
死んだら現実の自分も死ぬんだから」
俺は忠告した。
仮想世界の死は現実世界の死でもある。
慎重に臆病に生きるのがこのゲームの基本だ。
だが、少女は止まらない。
「君は死にたいの?」
少し少女の動きが止まった。
一瞬止まった姿を見て疑問に思ったが少女は動き出し攻撃を続ける。
突きの威力が下がった。
俺の一言で威力は先程の攻撃に比べると半分以下だ。
だが、何故か剣の突きの速さは変わらず。
いや、前より数段早くなっている。
「俺は死にたくない。
だから攻撃を止めて俺に関わらないでくれ」
俺の心からの本音だ。
だが、少女は剣を振り突き止めない。
「お前が、、、、、殺した」
少女の声が俺の心を揺さぶる。
慣れている筈なのに少女の声が俺の中で何度も響く。
「お前が、、、、、、死ねば、、、終わる!」
俺は少女の攻撃を防ぐ事を止めた。
目の前の少女の攻撃を全て受け、俺は混乱した。
「死ね!死ね!死ね死ね!!!」
少女の怒涛の攻撃が俺の体を貫きHPを減らす。
腹を貫き足を貫き腕を貫き肩を斬り、少女の攻撃を全て受け入れた。
少女の突きは更に速く鋭い。
最初に不意打ちとして使った突きとは比べ物にならない速度の突きが俺を貫通する。
「お前が死ねば!!」
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