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絶望と人を喰らう者
第四話 四
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叩きつけるや尻尾を大きく振り、手近の二人を吹き飛ばす。
 先端の刃を当てていない為、致命傷を与えはしなかったがそれでも豪速で振るわれた尻尾の攻撃はかなり強烈だ。
 吹き飛ばされた二人は一撃で気絶し、ナナシは自分が踏みつけているまだ気絶していない兵士に低い唸り声混じりで尋問を始めた。

「少しお前に聞きたい事がある」
「な、なんだ…… お前は……!? 化け物が、しゃ、しゃべ……ってるだと!?」
「俺に喰い殺されたくなかったら、俺の質問に答えろ。いいな?」
「ひ、ひいい! い、一体化け物が俺に何を聞くんだ!?」
「間宮の居場所を教えろ、あいつはどこに居る?」
「ま、間宮司令官だと!? お、教えるものか! 教えたら俺は反逆罪で殺されるだろ!?」
「じゃあ、今ここで殺してやろう」

 ナナシはそう無慈悲に言い放つと、前脚から刃をジャキンっという音と共に生やし、ゆっくりと彼の首元に狙いを定めた。

「まま、待ってくれ! 街の真ん中にあるデカイビルだ! 司令官はいつもそこの地下にある研究所に居る! だから、だから殺さないでくれ!!」

 彼が自分の死に対する恐怖に負け、ナナシの尋問に震えながら答える。
 ナナシは彼が答えた事により、すぐに刃を引っ込めると、男の身体から離れて門の開いているティアティラに向けて駆けた。

 彼が去った後、男は依然震えながらも。

「デ、デセスポワールがティアティラに侵入した! すぐに応援を頼む!!」

 っと職務を全うする為に彼が侵入した事を無線機で味方に知らせるのだった。


 ティアティラの中へ入り、ものの数分もしないうちにナナシは十字砲火の雨あられを受けていた。
 彼は今までの能力を駆使しつつ、建物を利用して彼らから姿をくらませたり、奇襲をしたりして無力化させたり等で兵士を確実に減らしながら間宮の居る場所へ向かう。

 そして、何とか兵士達を振り払って、彼はビルへとたどり着いた。

 彼は背後に迫ってくる複数の足音を聞き、考える時間も無くビルの中へと突入する。

 それから中に居る兵士やエンジニア等の非武装をした人間を押しのけ、幾つもの階段を下り、間宮の居る研究所へ着く。

 すると、そこには天羅や仲間達を殺し、自分の姿をこんな風に変えた男の姿があった。

「間宮」
「自分から来てくれるとは恐縮だね、夢見目覚君。君がここに来たという事は名前のとおり記憶が無くなったっという夢から目覚めたっという事かな?」
「あぁ、お前が言う悪夢からようやく抜け出せたよ。大切な妹のおかげでな」
「大切? 兄の存在を知らない妹を大切? なんとまあ素晴らしい妹想いな兄だ、あの子…… アリスかね? あの子は確か母親と君の事を知らない筈だ。まあ、それもその筈。健吾が君達二人の存在をあ
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