番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第3話
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遅くなってすいません・・・って、
なんでそんな怖い顔してるんですか、フェイトさん?」
半歩後ずさりながらそう言ったシャーリーの言葉が意外だったのか、
フェイトは目を丸くして首を傾げた。
「えっ? 私、そんな顔してないよ」
「いやいや、してましたよ。 というか、すごい顔で私の方を睨んでましたけど。
私、何か気に障るようなことしました?」
「そんなつもりはないんだけど・・・」
フェイトはそう言って俯くと、黙り込み考え込んでしまう。
「あのー、何をそんなに考え込んでるんですか?」
恐る恐るといった様子でシャーリーが尋ねると、フェイトは顔をあげた。
「うん・・・私がシャーリーが睨んでたっていうのが事実だとして、
なんでそんな事をしたのかなって・・・」
「はあ・・・」
真面目な顔で答えるフェイトの言葉に何と返したものかシャーリーが迷っていると
その背後で扉が開く音がした。
と同時にフェイトの表情が満面の笑みへと一瞬で変化していた。
「おかえり、シンクレア」
そして明るい口調でシンクレアを出迎えるセリフを口にする。
「はい、ただいま戻りました。 どうぞ、フェイトさん」
シンクレアも笑みを浮かべて応じると、フェイトのデスクの上に
コーヒーの入ったカップを置いた。
「ありがとね」
感謝の言葉を放つフェイトの顔には相変わらず満面の笑みが浮かんでいて、
弾むような口調でシンクレアに対して感謝を口に出す。
「いえいえ。 そういえば、砂糖は2つでよかったですよね?」
「うん」
1週間にわたって共に仕事をしてきただけあって、シンクレアはフェイトの
コーヒーの好みをしっかりと把握していた。
そしてそのことが嬉しいフェイトは、シンクレアに向かって笑いかける。
そんな一連のやり取りを傍から見ていたシャーリーは微笑ましげに2人を見ていた。
「ホント、お2人は仲がいいですね。 まるで夫婦みたいです」
シャーリー自身は何の気なしに発した言葉であったが、受け取った側が見せた反応は
シャーリーが想像していたものとは違っていた。
シンクレアは、シャーリーの言葉に少し照れたのか頬を染めつつも
"それは光栄だけど、フェイトさんに申し訳ないよ"と苦笑して語ったのだが
これはシャーリーの予想していた反応だった。
一方、フェイトの反応である。
彼女はシャーリーの言葉を聞いた瞬間、両の目を大きく見開いてシャーリーの顔を
じっと見つめると、何度か目を瞬かせたあと急に顔を真っ赤に染めて俯いた。
「あの・・・フェイトさん?」
フェイトの様子を訝しんだシャーリーが恐る恐る声を掛けると、
数秒の間をおいてフェイトは顔をあげた。
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