マクロスF
0729話
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からとある物を取り出す。
「……これは?」
テーブルの上に置かれた薬の入ったサプリケースを見ながら尋ねてくるオズマ。
「実は、ちょっとこれを調べて貰いたい。この薬、グレイスがシェリルに与えていた薬なんだが、ちょっと効果が高すぎるような気がしてな。単純に俺の思い過ごしであればいいんだろうが、もしそうじゃない場合……あるいは、この薬がグレイスの真の姿へと導く鍵になるかもしれない」
「カナリアに調べさせよう。ジェフリー艦長、構いませんか?」
オズマの言葉に無言で頷くジェフリー。
その頷きを見て、オズマは薬の入ったサプリケースを大事そうに懐のポケットへと入れる。
「では、報告は以上で終わりかな?」
「ああ。俺からの報告は以上だ」
俺の言葉に、ジェフリーが頷いて口を開く。
「では、これで解散とする。アクセル大尉、今回のガリア4の件は色々とご苦労だった。今は身体を休めて欲しい。……バジュラとの戦いは女王級と呼ぶべき存在を倒したのだから暫くは小康状態になるかもしれないが、何しろ相手が常識の通じないバジュラなだけに確実とは言えない。それ故、いつ何が起きても大丈夫なようにしておいて欲しい」
その言葉に俺とオズマは頷き、その場にいた者の視線は床に置かれているバジュラの標本へと移る。
「ジェフリー艦長、この標本についてはどうしますか?」
「今から大統領府に連絡を取るから、向こうが取りに来るまではそのままにしておいてくれ。ただし、見張りを立てて置くように」
「了解しました。すぐに手配します。……ああ、大尉の階級章と辞令については1時間くらいしてから俺の部屋に来てくれ。隊長としての仕事をする方の部屋だな」
ジェフリーの言葉に答えるついでとばかりに言われ、俺もまた小さく頷きブリーフィングルームを出て行く。
そのまま一旦自分の部屋まで戻り、ベッドに寝転がりながら目を閉じてこの数日の出来事を思い出す。
何と言うか、俺がこのマクロス世界にやって来てから暫くはそれ程のイベントは無かったんだが、シェリルがフロンティア船団に来てから急にその類が増えたよな。
この辺を考えても、やはりグレイスが怪しいと思うべきなんだろうが……
空間倉庫から取り出したペットボトルの紅茶に口を付ける。
口の中に広がる微かな渋みと、まろやかな甘み。
紅茶通にすればペットボトルや缶の紅茶は邪道なのだろうが、俺くらいのにわか紅茶通にしてみればこのくらいで十分だ。
いや、勿論美味い紅茶が飲めればそれに越したことは無いんだけどな。
そんな風に紅茶を飲みながら同じく空間倉庫から取り出した雑誌を眺めていると、オズマの部屋に向かう約束の時間になっている事に気が付く。
飲みかけの紅茶と雑誌を空間倉庫に戻し、部屋を出ようとし
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