暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0729話
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「……以上がガリア4で俺が体験した事だ」

 オズマとジェフリーの前で、俺がガリア4で体験してきた事の大まかな説明を終える。
 勿論、後で詳細なレポートを嫌って程書かされるのだろうが、まずは口頭で少しでも早くという事で、この場が用意されたのだ。
 それも、参加者は俺とオズマ、ジェフリーの3人だけだというのだから、俺に対してかなり気を使っているのが分かる。
 さすがに異世界というのは秘密にしておきたいというのもあるんだろうが。
 そんな風に思っている俺の視線の先で、椅子に座って説明を聞いていたオズマが顔を覆って溜息を吐く。

「そうか、ランカの両親の研究室か……」
「ああ、両親と思われる人物と3人で一緒に写っていたデジタルフォトフレームがあったよ。この10年近くで相当に劣化していて、触れただけで壊れてしまったけど。……持ってこれなくて悪いな」
「いや、10年も経てば脆くなっていてもしょうがないさ。にしても、まさかグローバルの中でバジュラ共が繁殖していたとはな。完全に予想外だった。……いや、奴等が襲撃したと思えば、それ程予想外でもないのか?」

 あのデジタルフォトフレームを壊したのは、正確には俺じゃなくてシェリルなのだが……わざわざそれを口に出す必要も無いだろう。
 そして、30秒程の沈黙の後でもうこの件はいいだろうと判断し、ブリーフィングルームにあるテーブルの上……ではなく、床へと空間倉庫から取り出したバジュラの幼生体と思われるものの標本を置く。
 一応それなりの重さがあるから、安物のテーブルだと壊れる可能性もあるし。いや、テーブルが壊れるだけならまだしも、標本の方が壊れたりしたら洒落にもならん。

「むぅ、これがバジュラの幼生体か。我々が戦っているのとは随分と姿形が違うな。大きさも」
「だからこそ幼生体だと判断した。虫の中には、蝶や蝉、カブト虫といったものを例に出すまでもなく、形態を大きく変化させる種類が多い。虫の特性を強く持つバジュラだから、幼生体がこれでもおかしくない」

 ジェフリーの言葉にそう告げると、オズマとジェフリーも同意見なのだろう。無言で頷き、床にあるバジュラの標本へと視線を向ける。

「この標本に関しては、明日にでも……いや、早ければ今日にでも政府に引き渡す事になるだろう。バジュラに対する貴重な標本として」
「ん? 俺達が捕獲した巣に関しては? あっちには巣ってくらいだから、卵とか幼生体とかもいるんじゃないのか?」
「確かにそうだろう。だが、バジュラのサンプルはいくらあっても多いと言う事は無い。それに、年数が経っているなら経っているで別の使いようがあるかもしれないしな」

 年数の経っているサンプルとか、使いようがあるのかどうか俺には分からないが、恐らく研究者にしてみれば違うのだろう。

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ