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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story2 Emerald
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の名を相手に伝える事が出来ないのである。

「でも、名前を聞かれたりする事はあるでしょ?そういう時は何て・・・?」
「“名も無き魔道士”って、名乗ってました。」

シャルルの問いに少女はそう答えた。
“名も無き魔道士”・・・嘘の名ではあるが、事実を述べているのは確かである。

「名前かぁ・・・」
「うーーーん・・・?」

皆、腕組をして少女の名を考える。

(人の名前なんて・・・考えた事もねェからな。)

グレイは少女を見つめた後、ずっと握り締めていた翠玉(エメラルド)に視線を移すと、再び少女を見つめる。
少女の瞳は、翠玉(エメラルド)と同じ色をしていた。

(緑・・翠玉(エメラルド)・・・エメラルド・・・!)

グレイはずっと握り締めていた翠玉(エメラルド)をテーブルの上に置くと、少女の細い肩を両手でガシッと掴んだ。

「ひゃあ!」
「お前の瞳、翠玉(エメラルド)と同じ色をしている。だから、今日からお前の名前は、『エメラルド』だ!」
「へぇ?」

いきなりの事に少女・・・いや、エメラルドはマヌケな声を出した。

「素敵な名前ですね!」
「意外とセンスあるのね。」
「決まりだな。」
「よろしくね、エメラルド。」

ウェンディとシャルルがグレイのネーミングセンスを褒め、イブキが頷き、コテツは早速「エメラルド」と呼んだ。

「名前は決まっけど、苗字は?」
「それなら、『スズラン』なんてどうだ?」
「『スズラン』って、さっきの花の名前よね?」
「確か、翠玉(エメラルド)は5月の誕生石、スズランは5月の季節花だからな。」
「何で知ってんだよ、そんな事・・・?」

ハッピーとルーシィの問いに、エルザが自信満々に答え、イブキが頭に?を浮かべながら首を傾げた。

「エメラルド・スズラン。」

バンリが名前と苗字を繋げる。
少し長い気もするが、

「エメラルド・・スズラン・・・」

当の本人であるエメラルドが、嬉しそうに自分の名前を呟いているのでこれはこれで良かったのではないか。

「んじゃ、これからよろしくな!“エメラ”!」
「いきなり略しちゃうの?」
「だってよォ、エメラルドなんて長ったらしくて言い憎いじゃねェかよ。」
「それに、“エメラ”の方が可愛い感じね。」
「俺が考えた意味ねーじゃねェかよ。」

いきなり略して名を呼ぶナツにハッピーがツッコミ、ナツの答えにルーシィも同意し、名前を考えたグレイがそっぽを向いた。

「よしっ!今日はエメラの歓迎会という訳で・・・宴じゃーーーーーっ!」
「オオオオオオオオオオッ!!!」

マスターも早速エメラと呼びながら酒の入ったコップを高々に持ち上げた。





この日、エメラルド・ス
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