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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story2 Emerald
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なかったが、少女の左手首には銀色の腕輪が輝いていた。腕輪には宝石が嵌まりそうな窪みがあり、
紅玉
(
ルビー
)
をその窪みに嵌めると、少女の両手に
紅玉
(
ルビー
)
のような色をした炎が灯った。
「おぉ!」
「すげェ!」
ナツとアオイが感嘆の声を上げる。
「
所持系
(
ホルダー系
)
の魔法なのね。」
「その通りです。」
ミラの言葉に少女は頷く。
「
青玉
(
サファイア
)
は水、
黄玉
(
トパーズ
)
は雷、
翠玉
(
エメラルド
)
は風、
紫水晶
(
アメジスト
)
は闇、
蛋白石
(
オパール
)
は氷の魔力が籠められています。」
「
金剛石
(
ダイヤモンド
)
は?」
「私の場合、
盾
(
シールド
)
の役割として使っています。
金剛石
(
ダイヤモンド
)
は最も硬い宝石ですから。」
腕輪から
紅玉
(
ルビー
)
を取り、そっとテーブルの上に置くと、
「これが私の魔法、
宝石魔法
(
ジュエルマジック
)
です。」
自身の魔法について語り終えた。
「宝石1つで炎も水も操れるなんて、すごい魔法だね、シャルル。」
「そうね。」
ウェンディとシャルルが宝石を見つめながら言う。
「こっちの宝石は?」
「!」
すると今度はバンリが、黒い巾着に入った薄ピンク色に光り輝く宝石を1つ摘んで少女に問う。が、少女はその宝石から目を逸らし、唇を噛み締めた。握り締めた拳が小刻みに震えている。
「どうしたの?」
「あの宝石も、
魔法道具
(
魔法アイテム
)
なんじゃないの?」
ハッピーが少女の顔を覗き込み、コテツが首を傾げながら問う。
少女はしばらく唇を噛み締めたまま何も言わなかったが、意を決したように1度深く息を吸い込み、吸い込んだ息を吐き出すと、口を開いた。
「・・その宝石は・・・
私
(
・
)
の
(
・
)
記
(
・
)
憶
(
・
)
です。」
空気が一変した。
少女の思いがけない言葉に、ナツ達はしばらく目を見開いたまま止まってしまったかのように誰一人瞬き1つしなかった。
「き・・記憶・・・?これがァ?」
最初に口を開いたのはイブキだった。隣で少女の記憶(?)である宝石を持っているバンリが摘んでいる宝石を睨みつけ、首を傾げながら言う。
「おい、それって、どういう・・・?」
ナツが少女を振り返りながら問う。少女は顔を伏せており、涙を堪えるように震える両手でスカートの裾を掴んでいる。
「し・・信じて、もらえないかも、しれませんが・・・私には・・記憶が、無いんです・・・・」
「えっ・・・」
「どうして・・記憶が、無いのかは・・・分かりませんが、私の記憶は、その薄ピンク色の宝石に封じられているんです。」
「えぇっ!?」
次から次へと紡がれる少女の言葉に、ナツ達はいろいろな反応をする。
「き、
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