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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story2 Emerald
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少女の問いにルーシィが小さく頷く。
「5年間、たった1人で?」
「はい。」
バンリの短い問いに、少女は笑みを浮かべて頷いた。
つまりこの少女は、旅をしながら5年間、たった1人でいくつものクエストを完遂してきたという事になる。
「昨日、スズラン村に隠れ家がある闇ギルド、
孤独な梟
(
ロンリーアウル
)
の討伐をしに行ったんですが、思ってた以上に、
孤独な梟
(
ロンリーアウル
)
の魔道士が強くて・・・この怪我は、その時に負ってしまったもので。」
少女は左手で右腕に巻いた白い包帯を摩りながら言う。
「村の人達に手当てしてもらえば良かったんじゃないのか?」
「あまり迷惑を掛けたくないので。」
「おいおい・・・」
エルザが問い、少女の答えにアオイが呆れたように呟く。
「まさかとは思うけどよ、宿とかに1泊とかも出来ねェって言うんじゃねェだろうな?」
「!ど、どうして分かったんですかぁ!?」
「アホかーーーーーっ!」
イブキが言った事は少女にとって図星であり、ルーシィが透かさずツッコミを入れる。聞くと、少女はいつも森などで野宿をして、一晩を過ごしているだそうだ。
「随分物騒だね。」
「女の子なんだから、無理しちゃダメよ。」
「ていうか、5年も野宿している方がすごいわね。」
ハッピー、ミラ、シャルルの順に思った事を述べる。
「そういやぁ、お前も魔道士なんだろ?どんな魔法使うんだ?見せてくれよ!」
ナツが興味津々に少女に問う。
「良いですよ、と言いたいんですが・・・さっき、バッグの中を見たら無くなってて・・・」
「無くなっててって、何がですか?」
俯いてしまった少女にウェンディが問う。
「宝石です。黄緑と黒の巾着に入っていたはずなんですが・・・」
「えっ?」
少女の言葉に、再び揃いも揃ってマヌケな声を出すと、テーブルの上に視線を移す。テーブルの上には、少女の魔法(?)である宝石が転がっていた。
「もしかして、この宝石の事?」
ルーシィが宝石を指差して問うと、
「あ、これです!どうしてここに?」
「気になってしまってな、すまなかった。」
「いえいえ、全然構いませんよ。」
エルザが謝罪すると、少女はかなり人が好いらしく、すぐに許してくれた。
「でもこれ、ただの宝石なんじゃねェのか?」
グレイが
翠玉
(
エメラルド
)
を手に取りながら問うと、
「半分正解です。この宝石は
魔法道具
(
魔法アイテム
)
の1つで、魔力を籠められた宝石なんです。もっと簡単に言えば、
魔水晶
(
ラクリマ
)
と似たようなものですね。例えば・・・」
そこまで言うと、少女は
紅玉
(
ルビー
)
を手に取り、ポンチョ風の白いパーカーの左袖を捲る。袖で隠れていて今まで分から
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