暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story2 Emerald
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


少女の問いにルーシィが小さく頷く。

「5年間、たった1人で?」
「はい。」

バンリの短い問いに、少女は笑みを浮かべて頷いた。
つまりこの少女は、旅をしながら5年間、たった1人でいくつものクエストを完遂してきたという事になる。

「昨日、スズラン村に隠れ家がある闇ギルド、孤独な梟(ロンリーアウル)の討伐をしに行ったんですが、思ってた以上に、孤独な梟(ロンリーアウル)の魔道士が強くて・・・この怪我は、その時に負ってしまったもので。」

少女は左手で右腕に巻いた白い包帯を摩りながら言う。

「村の人達に手当てしてもらえば良かったんじゃないのか?」
「あまり迷惑を掛けたくないので。」
「おいおい・・・」

エルザが問い、少女の答えにアオイが呆れたように呟く。

「まさかとは思うけどよ、宿とかに1泊とかも出来ねェって言うんじゃねェだろうな?」
「!ど、どうして分かったんですかぁ!?」
「アホかーーーーーっ!」

イブキが言った事は少女にとって図星であり、ルーシィが透かさずツッコミを入れる。聞くと、少女はいつも森などで野宿をして、一晩を過ごしているだそうだ。

「随分物騒だね。」
「女の子なんだから、無理しちゃダメよ。」
「ていうか、5年も野宿している方がすごいわね。」

ハッピー、ミラ、シャルルの順に思った事を述べる。

「そういやぁ、お前も魔道士なんだろ?どんな魔法使うんだ?見せてくれよ!」

ナツが興味津々に少女に問う。

「良いですよ、と言いたいんですが・・・さっき、バッグの中を見たら無くなってて・・・」
「無くなっててって、何がですか?」

俯いてしまった少女にウェンディが問う。

「宝石です。黄緑と黒の巾着に入っていたはずなんですが・・・」
「えっ?」

少女の言葉に、再び揃いも揃ってマヌケな声を出すと、テーブルの上に視線を移す。テーブルの上には、少女の魔法(?)である宝石が転がっていた。

「もしかして、この宝石の事?」

ルーシィが宝石を指差して問うと、

「あ、これです!どうしてここに?」
「気になってしまってな、すまなかった。」
「いえいえ、全然構いませんよ。」

エルザが謝罪すると、少女はかなり人が好いらしく、すぐに許してくれた。

「でもこれ、ただの宝石なんじゃねェのか?」

グレイが翠玉(エメラルド)を手に取りながら問うと、

「半分正解です。この宝石は魔法道具(魔法アイテム)の1つで、魔力を籠められた宝石なんです。もっと簡単に言えば、魔水晶(ラクリマ)と似たようなものですね。例えば・・・」

そこまで言うと、少女は紅玉(ルビー)を手に取り、ポンチョ風の白いパーカーの左袖を捲る。袖で隠れていて今まで分から
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ