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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
序章 出会い
Story2 Emerald
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「賑やかな所ですね。」
「やっぱ、第一印象は皆一緒なんだね・・・」
「嬉しいのか、悲しいのか、微妙なところだよな。ハハッ。」
少女の正直な感想に、コテツはため息と共に呟き、アオイは微笑する。
「さて、次は私達からいくつか質問させてもらっても良いか?」
最初に話を切り出したのはやはりエルザだった。
さっきまでの緩んだ空気が一瞬にして凍りつくほど、エルザの声は澄んでおり小さな棘が含まれていた。ルーシィがゴクリと息を呑む。
「すみません、私ばっかり質問してましたね。答えられる範囲なら全て答えますよ。」
少女はまた頭を下げてからそう答えた。
「んじゃあ早速、お前はほうせ・・・むぐっ!」
「どこから来たんだ?」
ナツの口を塞ぎながらエルザが問う。
いきなり「お前は宝石泥棒なのか?」という質問はNGである事は、ナツとハッピー以外は理解出来ていた。ナツがエルザに口を塞がれたのを見たハッピーも慌てて自分の口を塞いだ。
「スズラン村から、列車で。」
「!!!」
少女の答えに息を呑んだ。
これで少女が宝石泥棒という確立が少し上がった。
「そ、その怪我は、どこで負ったの?」
今度はシャルルが問う。
「ナイフで斬られちゃって。」
「!!!」
少女の答えに背筋が凍りついた。
もしこの少女が宝石泥棒ならば、今までの問いの答えと、テーブルの上にある少女が持っていた大量の宝石の意味が全て辻褄に合う事となる。
少女に気づかれないよう、ナツ、グレイ、エルザ、コテツ、アオイ、イブキ、バンリは身構え、ルーシィは腰にある星霊の鍵に触れ、ウェンディ、ハッピー、シャルルは少女から1歩距離を取る。マスターはただその場に立っているだけで、ミラは笑みを崩す事無く少女の隣に立っていた。
「お前はいったい・・・何者なんだ?」
最後にナツが問う。
この質問に、少女が何と答えるかは分からない。だが、宝石泥棒だと確信付けるような答えを言えば、ナツ達は少女を捕らえる為に真っ先に魔法で攻撃を仕掛けるだろう。
「意外かもしれませんが、実は私―――――」
恥ずかしそうに言う少女とは裏腹に、ナツ達は攻撃態勢を取っていた。
「フリーの魔道士なんです。」
「えっ?」
思ってもみなかった答えに、ナツ達は揃いも揃って気の抜けたマヌケな声を出した。
「フリーの・・・魔道士?」
コテツが鸚鵡返しに問う。
「もう5年くらい、かな?旅をしながらいろんな街を転々と巡りながら、闇ギルドを討伐したり、魔物を討伐したり、探し物をしたりなど・・・いろいろとやってきたんです。ギルドでは確か、こういうのを「クエスト」って呼んでるんですよね?」
「う、うん・・・」
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