デスゲーム化
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開いていた。
何かあったのかと思い、自分もウインドウを開く。アイテムストレージの中にモンスターアイテムではなく、《手鏡》と言う、見に覚えのないアイテムがあった。それを全プレイヤーが出していたので自分も手鏡を出現させる。
「なんだこれ?ただの鏡か?」
鏡のガラスを見た瞬間、いきなり青いベールに包まれた。瞬間的に目を瞑った。そしてようやく光が収まったのを確認すると、目を開ける。とりあえず転移などのものではなかったようだ。
「なんだったんだよ……って嘘だろおい……」
何もないと思っていたが鏡をもう一度見た瞬間、唖然とすることしかできなかった。なぜなら、映っていたのは、昼間に作ったアバターの顔ではなく、現実世界の自分の顔だったからだ。
驚いていると茅場晶彦の声が聞こえてきた。
『諸君は今、なぜ、と思っているだろう。なぜ私は━━SAO及びナーヴギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?これは大規模のテロなのか?あるいは身代金目的の誘拐事件なのか?と」
(そんなのどうでもいい。関係ない奴らを殺す、そんな腐った野郎の言葉なんか聞かなくていい)
しかし、茅場晶彦は続けて話す。
『私の目的は、そのどちらでもない。それどころか、今の私は、すでに一切の目的も、理由も持たない。なぜなら……この状況こそが、私にとって最終的な目的だからだ。この世界を創り出し、観賞するためにのみ私はナーヴギアを、SAOを造った。そして今、全ては達成せしめられた』
茅場晶彦の話が区切りがついたのか喋らなくなった。だから今、茅場晶彦に自分の怒りを乗せた言葉をぶつける。
「茅場晶彦ぉー!」
俺の叫び声、もとい怒鳴り声により一気に自分に視線が集まるがそれに構わず叫ぶ。
「お前がやろうとしてることは俺のような凡人には分からない!だがな、お前のやってることは虐殺と同じだ!お前のつまらない思想のせいで人生無茶苦茶にされたら困るんだよ!だから!」
一呼吸置いてまた大声で叫ぶ。
「お前を必ず倒す!!」
そう叫んだ。すると、ローブの中には顔がないはずなのに笑うような表情が見えた気がした。
『ふはは!面白い……なら、君が私のくだらない思想とやらをぶっ壊されるまで見物させてもらおう……以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤーの諸君の━━健闘を祈る』
そしてローブが液体に戻り、逆再生されたように空に戻っていった。その瞬間、俺は《はじまりの街》からでも見えて、上の層に向かって伸びている塔に向かって走り出した。
速く茅場晶彦、この事件の主犯を倒すために。
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