第二十話:姉妹
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だけだった
「確かに信じられないかも知れない……でも、本当は信じたいんじゃないのか?優しかったお姉さんを」
「…っ!!?」
…そんなことは……いや、そうかもしれないです……私はまだ姉様のことが………
「信じたいからこそ悩む……俺もな子猫ちゃん程ひどくはないけどちょっと似たことがあったんだ」
「…似たことですか?」
「ああ、詳しくは言えないんだけどな……まあ、ある日、兄さんが指名手配されてな」
…ルドガー先輩のお兄さんも?
「そのせいで俺も指名手配犯になったんだけど、ある取引をして解除してもらったんだ」
「…ある取引?」
「兄さんを捕まえることだ」
「…え?」
…自分の肉親を捕まえる……もしかしたら自分がそうなったのかもしれないのに考えたこともなかったです……
「結局兄さんは俺が捕まえた後に逃げ出したけどな……その過程で色々なことに巻き込まれてな」
…なぜだか少し嬉しそうな表情を覗かせるルドガー先輩……なんでしょうか?
「その中で兄さんが決して話そうとしなかった一族のことを知ったんだ」
「…一族……ルドガー先輩の骸殻ですか?」
「ああ、俺はその時まで骸殻に目覚めてすらいなかった、いや、兄さんが俺を時計から遠ざけていたって言った方が良いかな?」
「…どうしてですか?」
…ルドガー先輩の骸殻は私から見ても羨ましい位強力な力だ、それに勝手な意見だけど安全そうだ、そんな力から遠ざける理由が分からない
「……俺を守るためだ」
「…守る?…何からですか?」
「……一族にかけられた呪いからだ」
そう言ったルドガー先輩の顔は今まで見たこともないほど苦痛に歪んでいた
「子猫ちゃん、もし何でも一つだけ願いが叶うとしたらどうする?」
「…叶えたいです」
…誰だって願いが叶うなら叶えたいだろう、その願いが大きなものであればあるほど
「ああ、それが普通だ、誰だってそう思う……だけどな叶えられる願いは一つだけなんだ」
「………………」
「……つまり願いを叶えられるのは一人だけだ……もし、自分以外に願いを叶えようとしている奴がいたらそれは自分の願いを叶えるための敵になる」
…もしかして、ルドガー先輩の一族は――
「俺の一族は自分が願いを叶えるために争いを繰り返してきた……時に父と子…兄弟がな」
「…そんなっ!!?」
「欲に目が眩んだ人間がどうなるかを俺の一族は表しているのさ……骸殻も一族同士の争いに使われてきたのがほとんどだ」
…そんなことが……あれ?…それだとルドガー先輩のお兄さんは…!?
「…ルドガー先輩……その…お兄さんはただ敵を増やさない為に言わなかったんじゃ……」
…
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