第二十話:姉妹
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れていた
「…なんですか?」
「スープだ」
…スープですか……あんまりお腹が膨らみません
「子猫ちゃんが倒れなかったらフルコース作ってもよかったんだけどな」
そんな私の考えを察したのかルドガー先輩が悪戯気に笑いながら言ってくる
「…すみません」
「いや、ちょっとからかっただけさ……追い詰められたら無茶したくなる気持ちは良く分かる……」
…ルドガー先輩も何かあったのだろうか?
…そういえばルドガー先輩から昔のことを聞いたことがないような気がします
…いつも聞いてはいけないみたいな空気が流れますし……
「子猫ちゃん?」
「…!?…すみません、考え事してました」
「うーん…スープが気に入らないか?確かに物足りないかも知れないが味は保障するぞ」
…わざとかどうか分からないですけど変に勘違いして話題をそらしますし……考え過ぎですかね?
「ん?リンゴがあるじゃないか、スープを食べ終わったら剥いてやるよ」
「…はい…いただきます」
…ひとまず考えるのは止めて食事にしましょう…
「………美味しいです」
…何だかすごく優しい味で何杯でも食べられそうです
「だろ?自信作だからな」
ルドガー先輩はそう得意げに笑いながら神器でナイフを創り出しリンゴの皮をむき始めた
「♪〜♪♪♪〜♪」
…鼻歌?…聞いたことがない歌です
「…ルドガー先輩、その歌は?」
「これか?これは……俺の家に伝わる古い歌でな………よく兄さんが歌ってくれたんだ…」
…お兄さん……
「…ルドガー先輩…お兄さんは今はどうしているんですか?」
「今は…………もう…いない……」
「…っ!!…すいません」
その言葉に激しく動揺してしまうのは聞いてはいけないことを聞いてしまったからだろうか?
…それとも――姉様を失うことを想像したからだろうか?
「ああ、気にしないでくれ、兄さんのことを思い出すのは別に辛いことじゃないからな」
…ルドガー先輩……顔に思いっきり辛いって出てます……
普通ならここでこの会話をやめるべきなんでしょうけど……どうしても聞きたいことが出来てしまったので出来ない
「…あの……ルドガー先輩…もし―「もし俺の兄さんが子猫ちゃんのお姉さんと同じことをしたらどう思か、だろ?」―…っ!!?………はい」
…図星です……ルドガー先輩はもしかしたらこうなることが分かっていたのでしょうか?
「そうだな……俺は兄さんを信じる」
「…信じる…ですか?…目の前で暴走した人をどうやって信じるんですか!?」
思わず怒鳴ってしまい、恥ずかしくなってルドガー先輩の方を見るがルドガー先輩は優しげに微笑む
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ