第3話 検証
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ったものだが、周りに試すものがなくていままでは五感の強化くらいしかできないでいたのだ。
ギアスの未来視はここにいる動物たちで試そうと思っている。
動物たちは人間よりもずっとすばしっこい。
眼の性能を検証するにはもってこいだった。
富士の樹海中腹まで入ると持ってきたバックを下ろし、準備体操を始める。
怪我をしないよう念入りに。
前ならば軽く流せていたことでも結弦の身体は3歳だ。
しっかりとほぐしていった。
身体をほぐし終えると錬環頸氣功を発動させ、身体に氣を通していく。
体の中で氣を生み出し、外部からも集め、吸収し氣を高めていく。
氣を体に通してしばらくすると身体から仄かに光を、オーラを放ち始める。
そのまま目の前にあった木を殴りつけると木が吹き飛ぶことなく、殴られた箇所がくりぬかられてた。
「……ふむ」
その結果に結弦は顔をしかめる。
結弦は殴りつけるというより、軽く木を押すように手を当てたのだ。
それが木が吹き飛ぶのではなく、くりぬかれるということになるとは流石に予想できていなかった。
これではますます世界の色が見れなくなるではないか、と自分の力にアルテミスの祝福に恨めしいと感じる。
通常、殴ってくり抜くというのは殴って吹き飛ばしたり、破壊するよりずっと難しい。
後者の方が派手で迫力はあるが力が分散されそのような結果になるのだ。
しかし前者といえば力が一点に集められ力が逃げることなく、突き進んでいく。
その結果、力の伝わった部分だけが、押し出されるように抜けていくのだ。
そして軽くであるにもかかわらずそんなことができてしまったのだ、これ以上力は必要ないと思っている結弦からしたら溜まったものではなかった。
富士の樹海に来てから数時間。
既に日は落ち、辺りは黒く染まり結弦の目の前の焚き火だけが赤々と輝いている。
日の上には樹海で狩って来たイノシシが丸々焼かれており、香ばしい匂いが漂っていた。
イノシシは錬環頸氣功による氣の察知で見つけ、そのまま氣を抑え気配を消して近づき息の根を止めた。
結弦から少し離れたところには焚き火に惹かれたのか、匂いに惹かれたのか大勢の野生動物が集まって来ており、とても賑やかだった。
結弦はそんな動物たちを見て薄っすらと笑みを浮かべる。
転生前から動物は好きだった。
退屈に覆われた世界で唯一の癒しともいっていいものだった。
前は動物たちが本能的に結弦の力に恐れをなして決して近づいては来なかったが、いまは氣を操る術を手にしたからなのか、前よりも近くに集まって来ていた。
現在、結弦は自らの力を氣を操るこ
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