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Chocolate Time
第1章 双子の兄妹
1-1 無防備
無防備
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の前に迫った。彼は目を閉じて唇をとがらせている。
「い、いや、だめ……」マユミは小さく言った。
 アキラは目を開けた。「いいだろ? 俺たちつき合ってるんだから」

 マユミは両手で彼の両肩を押しやった。すると、アキラは出し抜けにマユミに抱きつき、床にその身体を押し倒した。
「や、やめてっ!」マユミは叫んだ。
 アキラは無言で両手をマユミの胸に押し当て、乱暴に掴んだ。
「いっ!」マユミは痛みに身体を仰け反らせた。再び眼前に迫ったアキラの顔からは表情が消え、額には脂汗が浮かんでいる。
「いいじゃないか、俺、シャワーも済ませたし」
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「いやーっ!」
 マユミはありったけの力でその男子の身体を突き飛ばし、焦って起き上がると、バッグを鷲づかみにしてドアを開け、部屋を飛び出した。


 その夜、マユミは自分の部屋で、早い時間からさっさとベッドに潜り込み、身を縮めてうずくまっていた。メール着信を知らせるアラームが鳴って、それを手に取ったマユミは、アキラからの『ごめん』とだけ書かれた内容を見ると、焦ったように電源を落とし、ケットをばさっと頭からかぶってしまった。



 明くる7月31日。月曜日。

 部活の間中、暗い顔をしていたマユミを見かねて、プールから上がったユカリが声を掛けた。
「デートで何かあったんだ、マユミ」
 マユミの目に涙が浮かんだ。
「乱暴されたの?」
 マユミはコクンと頷いた。
「言ったでしょ、男のコってそんなもんだ、って。で、無理矢理エッチさせられたの?」
 マユミは首を横に振った。
「じゃあ、キス?」
 またマユミは首を振った。

「何されたのよ」
 マユミは小さな声で言った。「抱きつかれて、おっぱい揉まれた……」
「おお、そりゃびっくりしただろうねー」ユカリはマユミの肩に手を置いた。

 マユミはようやく目を上げてユカリを見た。
「男の子ってみんなそうなのかな……」
「あの品行方正っぽいアキラ君でさえそうなんだから、まず99パーセント、オトコはそんなもんなんだろうね」
「ひどい……ひどいよ、いきなりあんな事」
「でも、言われてみればアキラ君、目つきは鋭いね、確かに。あれはオスの目だ」
「そう……思う?」
「表情は優しいけど、ぎらぎらしてない? ま、サッカー部のレギュラーだから無理もないか」
 マユミの目から涙がぽろりとこぼれた。

「ところであんた、どんな格好でデートしたの?」
「……Tシャツにキュロットだよ」
「何それ。もっとお洒落するでしょ。普通、デートなんだから」
「だって、何着ていけばいいのか、わかんなかったんだもん……」
「あんたの普段着じゃん、それ。思いっきり」
「そんな事言ったって……」
「で、どこで襲われたの
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