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無欠の刃
下忍編
情報&戦い
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カトナが大太刀をふるうことが出来るのは、チャクラを腕にこめて筋力を活性化させているからだろう。だから、カトナの少ないチャクラはもう相当すり減っているだろう。
 そう判断し、カカシは両手を前に突き出す。
 カトナは咄嗟に大太刀でカカシの手を遮ろうとしたが、予期せぬ下からの攻撃―蹴り上げられ、大太刀が成す術もなく飛ばされ、手と手が組み合わされてしまう。
 しかし、これで抑え込めたわけではなく、カトナの足はその間にもげしげしと、カカシの脛を容赦なく蹴り上げ、もう片方の手で足の甲を踏みつける。
 全く容赦ない子供だよ、と内心でそんな言葉を吐いたカカシは、とりあえず、その攻撃を辞めさせようと、チャクラを掌にこめ、カトナを持ち上げようとした。
 カトナがチャクラでカトナの大太刀を持ち上げた再現を、カカシはカトナでしようとしたのである。
 あっさりと、カトナの体は持ち上がる。


 はずだった。


「なに!?」

 軽い筈のカトナの体が持ち上がらない。どころか、カカシの体が浮くような感覚すらある。
 チャクラが足りない筈のカトナが、カカシを持ち上げることなど、出来る筈がない!!
 驚き、目を見開いたカカシに、カトナは無表情のまま、冷静に言う。

 「先生、勘違いしてる」

 そう、カカシは、カトナが言った通り、勘違いをしていた。
 カトナは何も、この大太刀をふるうために筋力を活性化などさせていない。
 確かにカトナには、大太刀をふるうための根本的な筋力がないが、しかし、チャクラを無駄に消費するほど活性化したとは、一言も言っていない。
 まぁ、カカシがそう勘違いしたのは仕方ないだろう。チャクラコントロールは繊細で難しすぎる。例えば、今のカトナに必要な筋力活性化のチャクラを1とした時、普通の上忍なら10、医療忍者や封印術を使う忍者ならば、3使ってしまう。誤差の範囲とはいえ、どんなに鍛えられた忍でも、チャクラを無駄にしてしまう。だが、カトナはチャクラが1必要なら、1だけチャクラを送れる…チャクラを無駄にしないのである。
 何も、これはカトナがすごいというわけでも、才能があるというわけでもなく、ただ、カトナは、持っているチャクラが少なすぎるのである。
 十リットルの水が入った容器Aと一リットルの水が入った容器Bがあるとする。もし、容器AとBから一リットルずつ、相手より早く水を移そうとしたとして、どちらがより、水を淹れようとした時、繊細に力加減をコントロールするだろうという事である。
 これはもちろん、容器Bだろう。一リットルしかない水を一リットル分だけ移すのだ。しかも、出来る限り早く。その繊細さは、Aと比べるまでもないだろう。
 対してAは十リットルもあるのだ。よりはやくすればいいというのならば、容器をひっくり返し、九リット
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