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無欠の刃
下忍編
情報&戦い
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た苦無とそれを投げる―湖面の姿。
 湖面は今頃ヤマトの試験を受けている最中だろう…なのに、なぜ、彼がここに居るのか。
 ―自分と同じ、影分身。
 それに気が付いたカカシが咄嗟に森から飛び出そうとしたが、

 「残念、遅いですよ!!」

 湖面とは全く逆の方向に身を潜めていたサクラが、木陰から飛び出し、ワイヤーを引っ張る。
 しゅるしゅると、すぐさま、仕掛けられていたトラップが発動し、カカシの影分身をワイヤーの中に閉じ込める。

 油たっぷりの、ワイヤーの中に。

 同時に、抜け道がないか辺りを見回したカカシは、ふと、それに気が付く。
 自分がいる今の地点から、巧妙に、いくつかの木が伐採されている…それはつまり、最初に予想した理由と、また、同じようなものだろう。つまり、森林に被害が出ないようにした…イコール、それは。


 ―今から、火遁の術を使うということでしかない!!


 「火遁、龍火の術」

 いつの間にか、近づいてきたらしいサスケが印を組み、そしてワイヤーに着火する。咄嗟にカカシが土遁、土中映魚の術を使い、土の中に潜る。
 間一髪で、カカシの肩を掠めた炎は、木に移り、カカシの体は土の中に沈み込む。
 だが、それを見逃すサスケではなく、彼は地面に苦無をつき刺し、そして苦無にチャクラを流した。
 苦無と言う、チャクラをあまり伝えない物質に流したため、サスケのチャクラが大量に消費されたが、しかし、微々たるものでしかない。

 「あめぇよ」

 サスケのチャクラが流れた苦無は、地中にそれを伝える。
 雷遁系のチャクラが流れる。
 土遁は雷遁に弱い。
 雷が、カカシの全身を貫いた。

 一方、本体たるカカシと言えば、こちらは先程の状況が一変したように、有利になっていた。
 当然だ。もともとは、サクラ、サスケの遠距離攻撃がカトナの体術を支えていたのだ。それがなくなった今、力は逆転したとみていい。

「ほら、さっきの威勢はどうしたんだ?」
「先生、こそ、生徒の手に踊らされてたくせに、よく、笑えるね」

 はぁはぁと息を荒げながらも、大太刀で一方的なカカシの攻撃を受け流すカトナ。その額からは大粒の汗が流れ、苦しそうだ。
 無理もない、とカカシは、大太刀に勢いよく拳を叩きつける。
 ガインッ、という衝撃に、腕がしびれて、大太刀を落としそうになる。が、気力で汗で滑り落ちそうになった柄をとらえて、一歩後ろに引く。

「そろそろ、降参してくれたら先生、嬉しいんだけどなー」
「降参なんて、忍じゃ、ない」
「でもねー、お前もう、限界でしょう? その大太刀、相当重いみたいだし、何よりチャクラもきついんでしょ?」
「…」

 図星だろうなー、と思いながら、カカシはカトナを見る。
 細い
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