暁 〜小説投稿サイト〜
無欠の刃
下忍編
情報&戦い
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
刀の軌道は乱れない。
 一度失敗すれば、カトナの体を苦無が貫くというのに、死にかけてしまうかもしれないというのに。
 恐ろしいまでに、その刀の動きは乱れず、信念は動かず、集中力は途切れない。
 カカシはちっと舌打ちをすると、カトナとサスケだけを視界に収め、サクラを無視する。
 サクラの攻撃は、全てサスケによって軌道がかえられる。つまり、重要なのはサクラの苦無ではなく、サスケの苦無がどう当たるか―!! そう把握し、早々にサクラの存在を視野から追い出したカカシは、僅かに額当てをずらし、写輪眼でカトナの動きを把握する。
 が、カトナのいつもの相手は、写輪眼のサスケと、白眼の日向ネジだ。今更、写輪眼でコピーしたとしても、カトナには何の支障もない。精々、避けられる攻撃が少し増える程度であった。
 どんどん、カカシの体を掠める苦無が数を増していき、カトナの攻撃が当たり始める。息をもつかせぬ猛攻、相手の息が終わる隙を狙うように出される苦無。
 カカシの捌ける数を、とうの昔に越している。
 忍術を使おうにも、印を結べる暇はなく、幻術を使おうにもこの状態ではチャクラコントロールすら難しい。体術にだけ専念したところで、二人で一人を相手にしているようなものだ。しかも、その二人は犬塚家のようなコンビ。
 ちっ、と舌を打ったカカシは、ここに来る前に用心として、密かに作っておいた影分身に合図をおくる。端で傍観していた影分身はその合図に従い、先程カカシが見ていたサクラの元に向かう。
 彼もまた、早々でサクラの存在を視野においだし、サスケとカトナの方を見ていた。
 はたから見る写輪眼と、間近で見る写輪眼を合わせたならば、コピーの制度はいつもの倍になる。そのため、カトナの言動を一つたりとも見落とさないように彼は見ていた。
 だからこそ、彼らは今のところ、一番明確な弱点を察する。
 それはサクラだ。
 苦無をただ投げる役目のサクラは、サスケが計算しながら苦無を跳ね飛ばさなければいけない以上、その場から合図もなく動けない。今のところ、カカシの影分身が観察した限りでは、合図は出ていないので、サクラは動いていない可能性が高い。
 まずはサクラを仕留め、苦無を出さなくする。そうすれば、カトナの体術にもまともに反応できるようになる。体術だけならば、大人と子供の差は明白になり、リーチの長さや攻撃一つ一つの重さから、直ぐに倒せる。カトナを仕留めた後は、サスケの番だ。如何にサスケが天才と謳われていても、上忍相手にそう長くはもたないだろう…。
 まぁ…及第点だ。弁当は全員で食べさせてやるかと、そう思ったカカシが、サクラがいたその木陰へと足を踏み入れた瞬間、長年の、忍びとしての警報が、頭を、鳴らした。
 踏み出した足を、後ろに引く。
 そこには、誰もいない。あったたのは、つまれ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ