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無欠の刃
下忍編
情報&戦い
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して避けさせようとした瞬間、カトナが笑った。

「苦無弾幕に恐れるなんて、先生もまだまだ、ってところ?」
「カトナ、お前を何を言って―!!」
「当たらなければいいんだよ、そんなもの」

 まさか、避けれるのか? 
 カカシの脳に、そんな疑問が走る。しかし、これがカトナの真正面から苦無が投げられたのならばまだしも、カカシの真正面、つまり、カトナの背後から苦無を投げているのである。
 避けれるはずが…ない。
 そう判断したカカシがカトナの腕を握り、投げ飛ばそうとし、

 「だって、この班には、天才がいる!!」

 逆につかみ返され、その場から動けなくなる。伊達に、彼女は大太刀を操っていないのである。だが、この行動は今この状況下においては自滅に等しい。百には及ばないが、相当な数の苦無を自分の背中で受け止めることになるのである。しかも、カトナが小柄とはいえ、この相対した状態では、カトナにほとんどの苦無が刺さるので、カカシに致命傷を負わせられる苦無はないとみていい。
 明らかな愚策。なのに、なぜ、カトナがその行動にふみったのか疑問に思った時、カカシは見た。
 まだ幼きうちはの忍びの目に、自分と同じ写輪眼が宿っていることを。
 同時に、彼の掌が、サクラが先程放った苦無と全く同等の数の忍器が握られていることを。

 (まさか…!!)

 無茶な想像が彼の頭をよぎる。
 しかし、サスケはまるでカカシをあざ笑うかのように、その無茶な想像を、実行して見せた。
 彼の手に握られた苦無や手裏剣がはなたれ、サクラの苦無に当たり、そして、弾かれる。
 無作為に、苦無や手裏剣が弾かれて、カトナの体には当たらず、そして弾かれた苦無や手裏剣にまた当たって弾かれて、カカシに向かう。

 ―当たらなければいい
 ―この班には天才がいる

 その言葉と、そして彼らの行動が指し示す意味はたった一つ。

 カトナは無謀で無茶な作戦に出たのだ。
 自分が上忍であるカカシをひきつけ、自分の体を盾として、サクラの苦無の軌道を読ませないようにして、そして読まれたところで、サスケの苦無でサクラの苦無を弾き、カカシにだけ当てるという、無茶だ、無謀だなんてレベルを、とうの昔にこえている作戦を。
 …こんな策、思いつく方がどうかしている。必死に片方の苦無でサクラの苦無を捌き、もう片方の手でカトナの体術を捌いたカカシは舌打ちをした。
 一度失敗してしまえば、カトナが死ぬ可能性だって低くはないのだ。
 なのに、そんな策を実行してしまっている。

 それほどまでに…仲間は仲間を、春野サクラとうずまきカトナはサスケを、うちはサスケは己を、信じているのか―!!

 跳ね返った苦無の一本がカトナの頬を掠める。たらりと、血が流れ出す。だが、彼女が振るう大太
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