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無欠の刃
下忍編
情報&戦い
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起爆札を設置したのは、カカシが来る前だろう。協力してもらったのかもしれない。
 そして起爆札を設置したのは、スタートの合図でカカシが森に逃げ込まないようにした。いきなりの広範囲の爆発を避けるために、カカシは咄嗟に起爆札の範囲を受けない安全地帯に逃げ込んでしまった…のだが、これはわざと作っておいたのだろう。カカシが外に逃げないように、わざと内側に逃げ場を作った。
 そして爆発させた最大の理由は、忍術幻術体術、全てから逃げきれてしまう、変わり身の術に使えるものを排除したかったのだろう。カカシが来る前に大木を切っていたらしいが、それは別に八つ当たりでもなんでもなく、単純に爆発の範囲にある木に燃え移らない様にしたとみていい。
 自分に有利な戦場を作った…用意周到。

 (ある意味、ここまできたら、演習の、大体の目的はクリアしちゃってるんだけどねー)

 そう、ここまで情報を分析されてしまえば、演習をする意味はない。
 カカシから鈴を協力して奪う、というのが目的なのだが、これが一番重要なのは、協力する姿勢―仲間と一緒に戦おうとする姿勢だ。
 その点で言えば、もうカトナとサクラとサスケは、起爆札を設置するという協力をしあい、協調の姿勢を見せたのだが…。

 (まーだ、鈴が奪われてないからねぇ)

 そう、もう一つの目的である、鈴が、奪えていないのだ。
 だから、これはまだ演習を続けるべきだと判断し、カカシが苦無を構えた瞬間、カトナが突貫した。

 構えた大太刀を、何の策もなく、愚直なまでに一直線で、カカシに向かって振り下ろす。
 なめられたもんだと、カカシが振り下ろされた大太刀を避け、がらあきのカトナの懐に掌底を叩き込もうとし。


 ―苦無が、頬を掠める。


 思わず、カカシがその苦無から出た方向を探ろうと視線を向けた時、

 「なっ!?」

 カカシの目が、捉える。
 カトナの体で見え隠れしている森の中、こっそり身をひそめるようにしているサクラの姿と、そして、木陰から渾身の力でカトナとカカシに向かって、無造作に、適当に、滅茶苦茶に、苦無が投げられている光景を。
 それは見るものが見れば、ある光景を思い出しただろう。
 アカデミーの生徒が、的の中心に苦無を当てようとして、適当にたくさんの苦無を持って投げて、中心に当てようとするような、そんな無茶ぶり、無謀さを。
 大雑把な人間でも、数ありゃそのうち当たるという事だ。サクラの忍具を扱った成績はあまりよくない。だから、この戦法を採用したのだろうが、それは同時に、今、カカシと相対しているカトナに当たる確率も倍増しているという事である。

 (カトナを巻き込んででも、俺に攻撃するつもりか!! 冗談じゃないぞ!)

 そう思いながらも、カカシがカトナを蹴飛ば
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