禁断の果実編
第107話 からっぽの城
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それだけで光実を信頼するに足る。ヘキサは光実の妹なのだから。
『ずいぶんと余裕がある。このような時まで他者の心配か。恐怖を感じないのか?』
白い王が言ったので、舞は首を横に振った。
「こんな小さい子ががんばってるのに、あたしだけ怖いなんて言ってらんないもん」
「高司さん……」
『だがその娘の兄は、お前や妹を含めて人類を裏切る側に付いたではないか。近しい者が敵に回って、それでもなお恐怖しないと?』
「ミッチはあたしたちを裏切ったことなんて一度もない。今だってそう。ミッチはミッチの戦場にいるってだけ。裏切られてなんかない」
『お前の言葉は矛盾している!』
舞はヘキサの手を離し、枯葉を踏みしだいてロシュオに歩み寄った。
「信じるよ。今度だって。――あなたは、一度でも裏切られたら、信じることをやめてしまうの?」
『当然だ』
「そう……だからこのお城は、こんなにカラッポなんだね――」
舞の寂しげな指摘に、ロシュオは何も答えなかった。
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