暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0728話
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や、まだ手段は残っている。グレイスがシェリルに与えていた薬。あの薬が俺の手元にある以上は……
 となると、誰か信頼の出来る医療関係者……カナリアしかいないか。

「どうしたの、難しそうな顔して。アクセルにそんな表情は似合わないわよ」
「ん? ああ、いや。何でも無い。それよりも近い内に軍病院の方に移る事になると思うけど、構わないだろ?」
「軍病院って……アクセルが前に入院していた? 何でよ。別にあたしはこの熱が下がれば問題無いわよ?」
「だからだよ。お前はこれからも忙しくなるんだろ? なら、この機会に1度しっかりと検査を受けておいた方がいい。こう何度も熱を出して倒れているようじゃ、これから先の活動にも支障が出て来るだろ?」
「それは……」

 体調を崩しているという自覚があるのだろう。何かを言い返したいが、それでも現状では言い返せないと判断して言葉を詰まらせる。

「ま、シェリルが入院すれば以前してもらったように、俺も見舞いに行けるしな」
「……本当?」
「ん? ああ、勿論。……ただし、さよならライブの時のように話を通しておくのを忘れたとかはやめてくれよ。……あぁ、そう言えばイヤリングはまだ俺が持っているけど、ついでだし見舞いに行った時に返そうか?」
「うーん、そうね。まだもう少し持ってて」
「いいのか?」
「ええ。ギャラクシー船団の行方がはっきりとするまでは、アクセルに持っていて欲しいの」

 熱が出ている為だろう。潤んだ瞳で俺へと視線を送ってくるシェリル。
 数秒程お互いに視線を交じらわせ……

「分かったよ」

 結局最後には俺が負ける事になる。
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