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転生とらぶる
マクロスF
0728話
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ロンティア船団に戻ったら……」
「アクセル?」

 最後まで言わせる事無く、ベッドの仕切りの向こうから俺を呼ぶ声がしてくる。
 どうやら目覚めたか。
 ……となると、後で変に耳に入るよりは俺がここであの件を教えておいた方がいいだろうな。
 面会しても? と軍医の男に視線を向けると、無言で頷く。
 本来であれば銀河の妖精として名高いシェリルだ。普通に面会させて欲しいと言っても断るのだろうが、幸い俺とシェリルがそれなりに面識があるというのはS.M.Sでは知られている。更に言えば、そもそも今回シェリルをマクロス・クォーターへと連れてきたのも俺なんだしな。

「シェリル、グレイス・オコナーの生存が確認された」
「何ですって!?」

 ベッドの仕切りの向こうから聞こえて来る驚愕の声。
 その声を聞きつつ、仕切りを潜ってベッドの方へと近付く。
 そこには、やはり身体が熱っぽいのだろう。若干顔を赤く染めたシェリルがベッドに横たわっていた。
 ただし、表情は驚愕に歪んで俺へと強い視線で向けている。

「ガリア4にギャラクシー船団の生き残りという噂は聞いていたな?」
「ええ、勿論」
「どうやらその噂が本当だったらしくてな。ガリア4が消滅する前にグレイス・オコナーだけは何とか救助して、そのままフォールドしてここに現れたらしい」
「本当……本当にグレイスが生きてるのね!?」
「ブレラ・スターンとかいう男はそう言ってたがな。……知ってる名前か?」

 あるいはグレイスとの関係が判明するかもしれない。そんな一縷の希望を抱いて尋ねた質問だったが、シェリルは首を横に振る。

「そうか、ギャラクシー船団の生き残りだって話だからあるいはと思ったんだが」
「さすがにギャラクシー船団のパイロット全員を覚えている訳じゃ無いわよ」
「……だろうな」

 今のところグレイスとブレラの繋がりは無い、か。
 となると……その辺を調べるのは余程注意する必要があるな。
 そんな気持ちを誤魔化すように、シェリルへと声を掛ける。

「にしても、まさかシェリルが熱を出して倒れるとはな。まさに鬼の霍乱って奴か?」

 冗談めかして告げたアクセルのその言葉に、シェリルはジトリとした目でアクセルへと視線を向ける。

「あのね、それが病人に言う言葉かしら? 普通ならもっとこう、優しくするんじゃないの?」
「そうか? なら、そうだな。……今度来る時はお見舞いにクレープでも持ってきてやろうか?」
「……病人のお見舞いにクレープを持ってくる馬鹿がどこにいるのよ」

 呆れた様に溜息を吐くシェリルだが、その表情にグレイスが生きていた喜びがあるのは隠し切れていない。
 何とかシェリルに気が付かれないようにグレイスの裏を取れればいいんだけどな。
 い
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