魔法少女じゃなきゃダメだという
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りがどうとか一人でブツブツ言ってるんだよ。もうアタシは怒りを通り越して呆れるしかないよもうっ」
眉根を寄せ、苦虫を噛み潰した表情で顔のシワを増やす八百屋のお母さん。数日前よりおでこのシワが少し深くなっている気がしたのは口が裂けても言えない小心者女子高生の珠希からすれば、お母さんの気持ちもわからないでもない。
だがこのお母さんよりは確実に息子のほうに年齢が近いせいもあり、ひとまず先に『〜てみた』系動画の投稿主になったという事実が親バレしてしまった息子さんにご愁傷さまと一声かけておきたい。
あとできればその息子さんは母親の言うことに素直になったほうがいいと思う。このままエスカレートしたらいずれニ○生の配信中に遠慮なく部屋に侵入しそうだ。このお母さんならありえる。
「でさ、珠希ちゃんにも聞きたいんだけど」
「何をです?」
するとそこでお母さんが話題を自らの家庭事情のカミングアウトから珠希への探りへと変えてきた。
「珠希ちゃんトコも、もしかしたら結月ちゃんがそういうのとかやってんじゃないの?」
「っ? さ、さあ……。どう、でしょうねえ……」
なぜにどうしてこうもこの世代の奥方サマは単なる噂話をピンポイント爆撃に切り替えられるのか。その精密射撃のスキルはきっと特殊急襲部隊どころか米海軍特殊部隊や露特殊任務部隊も真っ青だ。
唐突に妹の名前を出され、猿芝居だと思いつつも背中に走った冷や汗を隠さざるをえない珠希は、視線をそらしてひたすら曖昧にその場をやり過ごすしかなかった。
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