魔法少女じゃなきゃダメだという
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高生《JK》の価値下げやがったヤツは。
フーゾク? 援助交際? 覗き見してのお散歩とか?
まさかなんちゃって女子高生とか女神とかT○itter裏垢とかで満足してるとか?
「どうかしたの? そんな暗い顔してさ」
まだ愚痴も満足に吐き出せていない中、いつの間にかいなくなっていたサーファー風金髪男性にかわり、別の男性が珠希に声をかけてきた。
「いえ、ちょっと考え事が」
「何かな? よかったらオレに教えてくれる?」
「え? どうして教える義理があるんですか?」
またもや無意識のうちに冷たい声になっていた珠希の問い返しに、黒髪に薄い色系統の服を着て清潔感を出した男性は怯まず続けた。
「だってさ、オレだったら答えられるかもしれないじゃん? これでも国立の大学通ってるんだし」
「それじゃあ……」
国立大学のフレーズを右から左へスルーした珠希だが、男性に尋ねようとしてふと考え直した。
いや、よく考えると女子高生じゃダメだって性的嗜好のせいもあるんじゃない? 今や美魔女とかいう単語もあるんだし――となるとあたしの母親みたいなのもそういう類なのかな?
あ、でもそれじゃプ○キュアやま○マギみたいな(女子中学生以下じゃないとなれない←ココ重要)魔法少女も悪いんじゃない?
――などと、これ以上は確実にネット上で「黙れBBA」とレスされるくらいの愚痴を吐き出し続ける負け犬女子高生珠希は赤信号の横断歩道の前で止まると、国立大の学生と名乗る好青年に尋ねた。
「魔法少女がいいんですか?」
「……は?」
「いやだから、魔法少女」
「…………え?」
「はぁ……。もういいです」
あまりに予想のナナメ上の質問だったのか、清潔感あるその好青年も呆気にとられるしかなかった。
そのうち横断歩道の信号も青になり、国立大学生の青年の顔も結局見ることなく珠希は失望の溜め息と台詞を青年に投げつけ、雑踏の流れに乗って駅前を後にした。
☆ ☆ ☆
学校を友人と出て、駅前で別れ、繁華街から大通りを通って自宅のある住宅街が近づいてくると、何やら夏を前に元気ハツラツなランドセル少年少女たちとすれ違った。あちらもやっと放課後になったのだろうか、遊ぶ約束を交わしたり指導塾の門戸を叩いたりしているのが見える。
赤と水色と革色のランドセルを背負った三人の少女がスマートフォン片手に楽しそうに次の休みの過ごし方を話し合っているのを目の当たりにして、珠希は素直に羨ましいと思う自分とそう思う自分を冷淡に見下すもう一人の自分を感じる。
「……くそ。やっぱりこの世の男はロ○コンか○ザコンしかいないのか」
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