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銀河親爺伝説
第六話 怯え
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いてロイエンタール少将が
「挑発、でしょうか。守れるものなら守ってみろ……」
と答えるとリュッケルト大将が“その通りだ。一つが善意ならもう一つは悪意だ。道理だな”と頷いた。

「どっちだと思う?」
大将が手紙をラインハルト様に突き出した。ラインハルト様が手紙を受け取りちょっと考え込んだ。
「……良く分からないが警告のような気がする」
ラインハルト様の答えに皆が頷いた。リュッケルト大将も頷いている。

「俺もそう思う。だとすると分からねえ事が有る。誰がこいつを書いた?」
皆が困惑している。誰が? リュッケルト大将は何を言っているのだ?
「伯爵夫人は宮中では孤立していると俺は聞いていたんだがな。わざわざ警告してくれる親切な友人が居たのか? 寵姫と元寵姫の争い、碌な事にはならんだろう。まともな奴なら関わり合いになるのを避けるはずだ、違うか? 俺ならすべてが終わった後で勝った方に付く」

“なるほど”とラインハルト様が頷いた。確かにリュッケルト大将の言う通りだ。ますます混乱した。誰が書いたのだろう。アンネローゼ様にも味方は居る。ヴェストパーレ男爵夫人、シャフハウゼン子爵夫人だ。しかし二人ならこんな手紙など送らない、直接警告してくるはずだ。また思った、誰が書いた?

「心当たりが無いな、爺さん、悪戯かな?」
ラインハルト様が自信のなさそうな表情で問い掛けた。
「有り得ない話じゃないんだろう? お前さんは何度か侯爵夫人に殺されかけた」
「そうなんだが……、挑発かな?」
「うーん、そうは見えんなあ。挑発にしてはそっけなさすぎるぜ。もっとも警告にしても短すぎる。どうも妙だ、もう少し情報が有っても良いと思うんだが……」
二人が首を捻っている。

「確かに妙ですな。悪戯でなければ送り主は何処でこの情報を得たのでしょう?」
「そうだな、ベーネミュンデ侯爵夫人に近い人物でもなければこの情報を得るのは難しい筈だ」
ミッターマイヤー少将、ロイエンタール少将も首を捻っている。もどかしい、今はそんな事を話している時ではない筈だ。

「ラインハルト様、今は危険が有るものと考えて対策を執るべきではないでしょうか。送り主の意図は不明ですが危険は看過出来ません。アンネローゼ様の御命に係わります」
「うむ」
ラインハルト様が頷いた時、“いや、待て”とリュッケルト大将が言った。皆が大将を見た。大将は愕然としている。

「……それだよ、それ」
「?」
皆が訝しがるなかリュッケルト大将がロイエンタール少将、ミッターマイヤー少将に視線を向けて“お前さん達の言う通りだぜ”と言った。何の事だろう?

「ミューゼル、もしもだぜ、こいつが善意から出た警告じゃないとしたら如何だ?」
「善意じゃない?」
「ああ、こいつを出したのがベーネミュンデ侯爵
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