第五話 転校生
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ツヴァイは吐いた。
コンテストよりバトルが良いって言ったのは嘘だったのか…と。
それにあのリザードンとも対戦したい気もしなくはなかった。
ガタッと席を立ってジトリンの席に近づいた。
あのクールなツヴァイが誰かに近づくこと自体が珍しいためジトリンを取り囲んでいたクラスメイト達はジトリンの席を離れた。
端から見ればクラスのボスである。
まあ、ポケモンバトルの実力的には中学生離れしているのだが。
「…君、僕とバトルしないか。」
「えっ…どうして…。」
「人を知るにはバトルが一番だ。お前、バトル好きなんだろ?」
「…。」
そう言われてうつむいたまま黙り込んでしまった。
「それじゃあ、ポケモン達が可哀想だ。なんにでも臆病になってたら……大切なものを失うよ──。」
どこか含んだような言い方にジトリンは顔を上げた。
「…。」
「バトルだ。」
すぐに何事もないようなクールな喋り方に戻っていた。
それに後押しされたのか、ジトリンは立ち上がった。
「わかった…バトルしよう。」
「…じゃあ放課後、バトルフィールドでバトルしよう。案内ならしてあげるから。」
そうしてツヴァイが自分の席に戻ったあと、クラスがざわついた。
「まじかよ…。やめとけって!ツヴァイは学校で二番目に強いんだぞ!」
そう、ツヴァイは去年行われたポケモン祭…いわゆる体育祭のような競技で上級生や教師を差し置いて準優勝をする程の実力を持っている。
ちなみに優勝は兄のドライである。
クラスメイト達は忠告するが今更断ることなんてできない。
自分のボールを見た。
リザードンがこちらを見つめていた。
「リザードン…。」
放課後になり、再びツヴァイはジトリンの席に近づいた。
今日の任務は無いとドライから連絡が入った。一応、休日出動の振替でもある。
今回はあまり事件・事故が無いというのもあるが。
一階の廊下をしばらく歩いて体育館に来た。
「ここは…体育館…?」
広い…体育館のようだ。
しかし、周りは人が観覧できるように防弾ガラスと客席が用意され、クラスの人間だけではなく他のクラス、学年が見に来ていた。
「先生、お願いします。」
「はいよ。」
ツヴァイが教師に声をかけると教師は個室に入って行った。
するとゴゴゴゴゴという音と共に体育館が揺れた。
「なっ、何…!?」
ウィーーーンという音で体育館の床がひっくり返り、傷が多いフィールドに展開した。
「これが体育館兼バトルフィールドだ。」
「す、すごい…。」
カントー地方は公立の学校でさえ、ポケモンバトルの設備が整っている。
プロのポ
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