暁 〜小説投稿サイト〜
無欠の刃
下忍編
演習
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みを浮かべていった。

「やー、諸君、おはようおはよう。ごめんごめん、大荷物を抱えたおばあちゃんが困ってて、助けてたらさー」
「嘘だな」
「嘘」
「嘘ですね」

 渾身の理由を、一斉に全否定されたカカシはちょっとだけしょんぼりとしながらも、持っていた目覚まし時計をセットして三人を見る。

 「じゃあ、これから、演習を始めようと思う」

「ここに鈴が二つある。これを俺から昼までに奪い取ることが課題だ。もし昼までに俺から鈴を奪えなかった奴は昼飯抜き! あの丸太に縛り付けた上で、目の前で俺が弁当食うから」
「すずを奪う、か」

 嫌な課題だと、サスケは舌を打った。
 何かを奪うのならば、スリすることも考えたのだが、鈴は音がなる。こっそりやるのもありだが、上忍に相手にするのだ。音が鳴ってしまうだろう。こっそり掏るなどといった手は考えない方がいい。
 真っ向勝負で挑み、隙をついて奪うが一番いいだろうと予測したサスケは、研いでいた苦無を持つ。
 やる気満々のサスケを見たカカシは、本調子そうで何よりだと、内心で皮肉を吐いた。
 本当はここで、朝ご飯を食べていなかった面々がお腹を空かせて、本調子が出せなくなり、カカシから鈴を奪うのが難しくなる…というのが、一番の理想だったのだが、悲しいことに、全員が昨日言った通りに食べてきたらしい。
 この様子ではヤマトの方も食べたのだろうと思い、可哀そうな後輩を内心で憐れみつつも

 「俺がスタートって言ったら、はじめろよ?」

 そういって、カカシが合図を送ろうとした瞬間、カトナはカカシの服を掴み、その場に引き留める。

「…確認、していい?」
「ああ、どんどんしろ」

 カトナはその台詞にほっとしたように息を吐いた後、カカシとその場で話をし始める。

「先生の、もってる鈴を、奪えばいい」
「ああ、俺の持ってるこの鈴を奪えばいい」

 ちりんちりんと、カカシの持っている二つの鈴が鳴る。平凡な、どこにでもあるような銀色の鈴。近くの店で買ったのだろうと見当をつけながら、カトナは、その鈴をじっくりと眺めた後、質問を重ねる。

「で、先生。鈴は二つだけ?」
「ああ、二つだけだ」
「じゃあ、先生」

 もう、起爆させたよ?

 と、カトナが言った。

 次の瞬間、サスケとサクラがその場から飛ぶ。

 二人のその行動に一瞬気を取られた隙に、じりじりという音が、カカシの耳に届く。
 起爆させた? 何を、起爆、させた…?
 危機感を感じ、バッと、カカシがその場から飛びのく。
 次の瞬間、カカシがいた地面のちょうど真下で、何かが起爆した。

 「スタートは、いらない、よね?」

 そういいながら、唯一その爆風をモロに浴びながらも、全く意に介さないまま、
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