1.エルネスト・ルツ中佐編
第2話:グラナダ降下作戦
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ている。
そのベルゼンは挨拶を返してきたルツに近寄っていくとその肩に自分の手を置いた。
「いよいよだな。 俺たちスペースノイドが真の独立を勝ち取るための戦い」
精神が高揚しているのか、ベルゼンは歌でも歌うような口調で言う。
しかし、ルツはそんな同期の笑顔を冷ややかに見る。
「何を浮かれてるんだ。 俺たちが相手にするのはあの地球連邦なんだぞ」
「だからこそのモビルスーツとブリティッシュ作戦だろ。
心配しなくても俺たちは勝てるさ」
自信満々に語るベルゼンに対して、ルツは肩をすくめて首を振った。
「いい加減その楽天主義は直した方がいいな、ベルゼンは」
「お前こそ、なんでもかんでもネガティブに考えるのはよした方がいいぜ」
一方、ベルゼンも鋭い目をルツに向ける。
しばし2人はお互いを睨みあうと、どちらともなく表情を緩めて微笑を浮かべた。
ルツがベルゼンに向かって何か言おうと口を開きかけたとき、艦内放送の
スピーカーが電子音を発し始めた。
次いで、艦長のヴェーゼルの声が続く。
曰く、"総員、最寄りのモニターに注目せよ"。
その声に応じて、待機室の隅にあるモニターの側にパイロットたちが集まり、
ルツとベルゼンもその輪に加わった。
しばらくして、モニターに女性アナウンサーの姿が映った。
『こちらは、ジオネット・チャンネル1です。
ただいまより、ギレン・ザビ総帥の演説を放送いたします。
皆さん、ご静聴ください』
女性アナウンサーはそれだけ言うと軽く頭を下げ、そこで画面は切り替わった。
画面に映るのはギレン・ザビ、ジオン公国軍総帥の地位にある男の顔だった。
『ジオン公国の国民諸君。 私はジオン公国軍総帥、ギレン・ザビである。
今日は、朝まだ早い時間ではあるが国民諸君に我が国が重大なる決意を
固めたことを報告する』
画面の中のギレンは一旦言葉を止めると、静かに目を閉じる。
そして再び目を見開くと演説を再開した。
『人類が初めて宇宙に生活の場を求めてから80年が過ぎようとしている。
コロニーというゆりかごの中で我々スペースノイドは呼吸をし、食事をとり
仕事に励み、子を産み育て、脈々とその系譜を繋いできた。
既に我らにとってはこの人工の大地が故郷であり、我が家なのである。
だがその故郷は支配され、搾取される対象でありつづけた。
他ならぬ人類にとっての母なる星、地球に住まう一部のエリートたちによって。
だが、それも今日で終わる。
思いあがった地球連邦の者どもに我らが裁きの鉄槌を下す時がきた』
そこで再びギレンは演説を止めた。
モニターを見つめるルツは思わずゴクリとつばを飲み込んだ。
『ジオン公国は地球連邦に対し、宣戦
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