自分の刀、修行開始。
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てか、この時代にはなかった筈だ。
ククリは、ネパールのグルカ族をはじめとする諸種族、およびインドで使用されている短刀だ。
この国にあること自体おかしいのだが、三英雄などが女性になっているこの世界だ。
ククリが置いてあっても何だが納得してしまう。
競りが始まり、結構な値で落札された。
オークション的な感じで売買しているのだろう。
もしかしたら俺が欲しい刀が出るかもと思った時だった。
「最後はこれ!!
世にも珍しい形をした剣だよ!」
と、本当に俺の欲している刀が出てきた。
それを見て俺は驚きの表情を浮かべる。
「縁。」
「はい、あれです。
あれが俺の求めている刀です。」
横に立っている師匠に言う。
柄や鞘は純白の白。
柄頭は竜の顔をデザインとして彫られていた。
刀身だけでも170センチはあるだろうか。
長刀の部類に入る剣だ。
是が非でも欲しいのだが、さっきのように競りをされると非常に困る。
何故なら今はそれほど金に余裕はない。
生活をする分には問題ないが、競りをできるかどうかと言われれば無理だろう。
どうしたものか、と考えた時だった。
「この剣はお金は入りません!
あくまで主役は最初の奴でしたからね!
これは私がどれほど引っ張っても抜けない剣なのです!
そこで、この剣を抜けるかどうか挑戦したいという人はいませんか!!
挑戦するだけならお金は入りません!
抜けたのならその剣はそのお客さんの物です!!」
壇上の商人がそう言うと辺りがざわつく。
そして、すぐに挑戦者が現れる。
身長は190はあるであろう長身の男だ。
腕の太さも俺の倍以上はありそうだ。
腰にはその腕の太さに見合った巨大な剣がある。
商人の手から刀を受け取ると、力の限り引っ張る。
顔が真っ赤になるくらいになるまで引っ張っているが抜ける気配が全くしない。
抜けないと確信したのか、刀を商人に返し壇上から降りる。
それから何人の腕っぷしの強い男達が刀を抜こうとするが一向に抜けない。
中には女性もいたが結果は同じだ。
立候補する挑戦者が居なくなりつつあるところで師匠が俺に耳打ちをする。
「縁は挑戦しないのか?」
実はそろそろ手を挙げて挑戦してみようかなと思っていた。
麻奈がもしこの刀の事を言っているのなら、それは今がこの時なのだろう。
俺は手を挙げて壇上に登る。
彼方を受け取ると妙に手に馴染む感覚を感じた。
左手で柄を掴み、右手で鞘を掴む。
この時、俺は何となく思った。
(抜ける。)
対して力を入れる事無く、引っ張ると簡単に鞘から刀身が抜けた。
埃や指紋一つない刀身が太陽の光に反射して煌びやかに輝いている。
俺は一瞬、その輝きに目を奪われた。
「お見
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