空白期 第11話 「レヴィとお出かけ」
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せよう。それがきっと今日の俺に課せられた務めだ。
早く早く、とレヴィに催促され俺は家を出た。もちろん出る前に戸締りはきちんとしたし、端末は置いてきている。迷子になられたら困るので手を繋ごう、と思っていたが、レヴィはよほど早く行きたいようで、彼女のほうから俺の手を握ってきた。
うきうきして落ち着きのないレヴィを連れて向かったのは翠屋。混んでいたらどうしよう、と不安ではあったが、運良く空いていた。
店員に案内されて席に座ると、レヴィはすぐさまメニューを見始める。どれを食べようか、と目を輝かせながら悩む彼女の姿は実に子供らしい。
――フェイトに容姿は似てるけど同い年には見えないよな。無駄に元気だし……まあ無邪気で可愛いらしいとも思うけど。
はやてやシュテルといった頭の回転が早い人間は、何かとからかってきたりするため相手をしていると疲れる。レヴィの相手も疲れはするのだが、それは精神的なものよりも肉体的なほうであるため、疲れがない日ならばはやて達の相手よりも楽なものだ。
それに、今日のように食事をさせれば体力の消費はない。むしろ微笑ましい姿を見れるため、ある意味保養になるかもしれない。
ただ……レヴィは大食いだ。いったい何人前食べるんだろうか?
もしも俺が普通の小学生だったならば、間違いなく金銭的な心配をしていただろう。まあうちは叔母は働いてばかりで浪費はしない。俺ははやての影響で主夫化している部分があるということで、金銭的には余裕がある。むしろ多少無駄遣いしたほうがいいのではないか、とさえ思うときがあるくらいに。
「ねぇねぇ、どれくらい食べていいの?」
「とりあえず……最初に注文するのは3個くらいにしてくれ」
何千円分食べられても問題はないが、一度に大量に頼んでも運ばれてこないだろう。それに、何より周囲から注目されるのもご免だ。いくつか食べさせて余裕があるようなら再度注文する、という流れにしておくのが無難のはず。
レヴィは悩みに悩んだ末、店員にハキハキとした声で注文する。店員や周囲にいる客からは元気がいい子だ、といった感想が耳に聞こえてきたので店の迷惑にはなっていないようだ。ただ微笑ましい視線を向けられているため、一緒にいる身としては何となく恥ずかしい。
自分は子供……周囲から温かい目で見られても何ら不思議じゃない。
と、自分に言い聞かせながら運ばれてきたコーヒーを飲む。やっていることが子供らしくないかもしれないが、ここには月に何度も足を運んでいる。その度にコーヒーは飲んでいるので、この店に限っては注目はされないはずだ。
「おいひ〜!」
「そうか……ごほっ」
むせてしまったのは、レヴィが頬を膨らませるほどかっ込みながらケーキを食べているからではない。彼女の後ろに、何とも言えない顔でこちらを見
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