空白期 第11話 「レヴィとお出かけ」
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れば毎日でも遊びに来てもいいとか、お菓子が食べられるって思うんじゃないだろうか。週末ならどうにかできる可能性は高いが、さすがに平日は無理だぞ。学校もあるし。もしも勘違いしてたときはきちんと理解するまで言わないとな。
「む……その言い方はまるでボクが遊んでばかりいるみたいで嫌だな」
いやいや、俺の知る限りでは君は遊んでばかりいる気がするけど。正月あたりにディアーチェと遊ぼうとしてたのに……云々言っていたはずだし。
思ったことが顔に出てしまったのか、レヴィの表情が徐々に不機嫌なものに変わっていく。
「絶対ボクは遊んでばかりって思ってるよね。確かにボクはみんなに比べたら遊んでることが多いけど、ちゃんと手伝いだってしてるんだぞ!」
「へぇ……エライエライ」
「全然信じてないじゃん。信じてくれないならコレ渡してあげないぞ!」
レヴィが取り出したのは小型の端末。どうやら本当に手伝いでここに来たらしい。
端末の中にいったい何が入っているのかは見当がつかないが、少なくとも彼女が墓穴を掘っていることは分かった。
「あのさ、会話の流れからしてお前は手伝いでそれを俺に届けに来たんだよな?」
「そうだよ」
「だったら……それを俺に渡さずに帰ったら怒られるんじゃないのか?」
俺の問いに不機嫌そうなレヴィの顔は、徐々に無表情へと変わって行き、最終的に頭を抱えながら慌て始めた。
「そ、そうだよ。コレを渡さずに帰ったらすっごく怒られる!? はいコレ!」
レヴィは先ほどまでのことをすっかり忘れたらしく、俺に押し付けるように端末を渡してきた。「大丈夫だよね」とブツブツと呟く彼女をよそに、俺は端末の中にあるデータを見る。
――これは……テストのスケジュールか。
一瞬ファラのかと思ったが、カートリッジシステムの導入以降はこれといって改良は行われていない。レーネさんやシュテルからもテストを行うとは聞いていないため、このスケジュールは彼女のものではないと分かる。
ファラでないとすれば、必然的にこれはセイバーのテストスケジュールということになる。俺は彼女のマスターでもあるため、テストを行うこともスケジュールについても異論や疑問はない。だがこれをレヴィが持ってきたことには思うところがある。
「なあレヴィ」
「な、何!? まままさかボク間違ったのを渡しちゃったとか。でも渡されたのはそれだし……もしかして壊れちゃってたとか!?」
「いやそうじゃなくて……」
「どどどうしよう〜!?」
今のレヴィはよほど冷静さを欠いているようで、俺の言葉が全く耳に入っていないようだ。いつもならば、ここでディアーチェの怒声が入って事態は収拾に向かうのだが、あいにくこの場にはいない。
「落ち着けって……大丈夫だから」
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