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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第439話】
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悪いから少し整備してみようかなって思ってさ」


 確かに燃費悪いのは事実だが、一夏の場合は零落白夜の多用と瞬時加速の多用を止めればかなり改善される気がする。


「って言ってもさ、整備ってしたことないからどうしたものかなって少し思ってたんだけど、そういや簪さんの機体って――」

「名前で、呼ばないで……馴れ馴れしい……」


 そうはっきり拒絶する更識さん、てかいきなり下の名前で呼ぶ辺り、こいつの脳内は何かがおかしい、今に始まった話ではないが。


「えーと、じゃあ、更識さん」

「……名字でも、呼ばないで。 ……私、は、貴方と仲良くなるつもりは、ないから。 構わないで」

「いや、せっかく知り合ったんだし、そこまで邪険にしなくても良いだろ?」


 至極真っ当な言葉だが、更識さんは一夏を嫌ってる以上下手すると余計ストレスを与えかねないのだが――と、一夏は何か妙案が浮かんだのか、表情が和らいだ。


「あ、そうだ! それならお互いの専用機、見せ合いっこしようぜ! 簪さんの専用機、見てみたいから!」

「っ!」


 通路に響き渡る乾いた平手打ちの音、一夏の馬鹿さ加減には呆れるしかない。


「……へ?」


 いきなりの平手打ちに、すっとんきょうな声をあげる一夏、頬が真っ赤に腫れていた。


「………………」


 キッと目尻を吊り上げ、一夏を睨んでからそのまま走り去る更識さん、残された俺は一夏に――。


「……お前、昨日楯無さんから説明訊いてたんじゃなかったのか?」

「説明って――あ。 そっか。 そういや昨日、楯無さんから簪さんの専用機、まだ出来上がってないって言ってたな」


 暢気な声と共に手を打つ一夏に、内心イラッとするが、殴った所で俺の拳を痛めるだけだ。


「……とりあえず、お前もう更識さんに近付くな、話がややこしくなる」

「いや、でも――」


 食い下がろうとする一夏だが、俺は言葉を続けた。


「いいから、お前だってまた平手打ち食らいたくないだろ? お前のデリカシーのない発言、今さら直せなんて言っても直らないだろうからせめて彼女に近付くな、いいな? それと、せめて名字で呼ぶようにしな」

「お、おぅ……」


 勢いに圧された形で返事をした一夏、この場にいる意味が無くなった俺は持っていたスポーツ飲料を一夏に渡すと、更識さんを探しに整備室前を後にする、だが暫く探し回ったのだが見つからず、彼女の部屋も知らないため一旦諦めると、俺は自室へと戻っていった。
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